調布市基本構想

21世紀の礎を築く

 調布市では,昭和47年以来,3次にわたり基本構想を定め,市民と行政が協働して計画的なまちづくりを進めてきました。21世紀を目前に控えた今日,市や市民を取り巻く環境は,少子高齢化,地球環境問題,分権型社会,情報技術革命など,様々な社会変化の波にさらされています。こうした潮流を捉えつつ,新たな時代のまちの礎を築くべく,「個の尊重」「良好なコミュニティの形成」「自然との共生」をまちづくりの理念とした「基本構想」を策定し,平成12年6月20日に市議会で御決定をいただきました。
 今回の基本構想では,21世紀初頭の目指すべき,まちの将来像を
    「みんながつくる・笑顔輝くまち調布」
と定めました。活気に満ち,やさしさに包まれて,安心して住み続けることのできる,そんなまちを一人ひとりが責任をもってつくっていこうとの思いを込めています。
 今後は,基本構想を具体化するための基本計画,実施計画を策定し,市民が快適に働き,学び,遊び,憩うことのできる20万人都市の実現を目指します。市民の皆様と一緒に新たな第一歩を力強く踏み出して参ります。一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。
平成12年6月
調布市長 吉尾勝征
  

第1章 策定に当たって
  第1節 策定の背景
第2節 策定の目的
第3節 まちづくりの潮流と課題
第2章 まちの将来像
  第1節 まちづくりの基本的な考え方
第2節 まちの将来像
第3節 まちづくりの枠組み
第4節 基本目標
第3章 まちづくりの基本方向
  第1節 「いきいきと元気なひとづくり」をめざして
第2節 「住み続けられるくらしづくり」をめざして
第3節 「人が集まる楽しいまちづくり」をめざして
第4章 構想の実現に向けて
  第1節 市民が主役のまちづくり
第2節 21世紀の市役所づくり
第3節 計画行政の推進
 


 第1章 策定に当たって

第1節 策定の背景

 まちづくりは,今,大きな転換期にさしかかっています。豊かさを実感できる生活を希求する声が,様々な形でまちづくりへの参画意識の高まりとなって現れ,これまで社会の発展を支えてきた諸制度も大きく変化しています。自己決定,自己責任が求められ,地域の問題は地域で決定し,解決する分権型社会へ進む流れの中,自主的にみんなでまちをつくることが重要になっています。
 当然,まちづくりの構想や計画の策定段階から,主役である市民が参加,参画し,まちづくりを進めることが必要です。21世紀の幕開けと同時に,まちづくりの新たな時代をともに切り拓くため,時期を早めて基本構想の見直しを行うこととしました。
 これまでの基本構想を継承しつつ,新たな試みとして,市民と職員による「21世紀の調布を考える市民懇談会」を設置し,基本構想の案づくりに向けて策定作業を行ってきました。時代や社会情勢の変化について多くの共通認識が得られ,21世紀初頭のまちの将来像を描くことができました。そのうえで,具体的な施策の方向を明らかにし,目標の共有化を図ることもできました。まさに,市民と協働するまちづくりの第一歩となりました。
 経済状況は,今後も低成長が続くものと想定され,施策の重点化,活用する資源の多様化など,行財政運営も新たな時代にふさわしいものへと転換しなければなりません。
 ボランティア団体やNPO(特定非営利活動法人)などの多様な主体が,まちを舞台に自主的な活動の輪を広げ,さらに企業もまちの一員として,特に雇用や経済の面で,活性化に大いに貢献しています。今後,こうしたまちづくりの主体が,それぞれの役割と責任を明確にするなど,新たな関係を築いていかなければなりません。
 市民とともに,市民団体,大学,企業などが連携しながら,みんなで知恵を出し合い,工夫を凝らし,行政と協働して,市民が主役のまちづくりを実践するものとします。

第2節 策定の目的

 この基本構想は,わたしたちのまち調布が,今後,どのようなまちをめざすべきなのか,21世紀初頭のまちの将来像を描き,まちづくりの目標を明確に示すものです。さらに,目標実現に向けた基本的なみちすじを示し,まちづくりを担う主体の役割と責任を明らかにするものです。
 したがって,基本構想は,次のような役割を果たします。
1)  市民やその他の主体と行政が自立,協働して,創意と工夫に満ちたまちづくりを進めるための指針となるものです。
2)  総合的なまちづくりを進めるため,行財政の計画的運営の指針となるものです。
3)  調布市を含む地域計画の策定や事業を実施するうえで,その事業主体が尊重すべき指針となるものです。

第3節 まちづくりの潮流と課題

 社会の様々な分野で右肩上がりの時代が終えんしました。人々の価値観も「もの」よりも「こころ」が重要視され,まちに求められる課題も多様化しています。効率を優先し,拡大し続けてきたまちも,ゆとりやうるおいを感じ,ほっとするまちへと再構築することが求められています。

1 都市構造の変化
 京王線連続立体交差事業及び駅前広場や交差道路の整備,さらには多摩地域の総合的なスポーツ施設の開設など,まちの構造が大きく変化をしていきます。特に,東京スタジアムは,プロサッカーチームが活動を展開するほか,2002年ワールドカップ公認キャンプ地や国民体育大会の主会場としての利用が想定されるなど,広域的なスポーツ施設に位置付けられます。
 こうした都市構造の変化に対応し,活気とにぎわいのある中心街を育成,整備するとともに,新たなスポーツ文化の交流拠点づくりを推進することにより,活力に満ちたまちを創造することが求められます。
2 時代の変化
 21世紀初頭のまちづくりを考えるうえでは,時代の潮流を的確にとらえ,変化に柔軟に対応することが必要です。
1)  少子高齢化の急速な進行
 少子高齢化の進行とともに,まもなく日本の総人口が減少局面を迎えることが予測されています。保険,年金などの社会保障制度や地域社会の構造にも大きな影響を及ぼします。
 また,青少年による犯罪や子どもを巻き込んだ凶悪犯罪の増加など,子どもたちを取り巻く社会環境は厳しさを増しています。安心して子どもを産み育てることができ,高齢者や障害者がいきいきと過ごせるまちの実現がますます求められています。だれもが,年齢やくらし方に応じて,充実した人生を安心して過ごすことのできる社会を築いていくことが必要です。
2)  地球環境問題
 わたしたちの諸活動が環境に多大な負荷を与え,人類自身の生存さえも脅かしています。持続可能な発展が,世界各国で共通課題として認識され,地球的規模で温暖化防止など様々な取り組みが行われています。
 したがって,地域におけるわたしたちの行動も重要な役割を担っています。一人一人が生活様式を見直すと同時に,環境にやさしい事業活動や行政運営へと転換し,ともに循環型社会を形成する努力が求められています。
3)  分権型社会の到来
 地方分権の時代が幕を開けました。地域の特徴を生かした自主的かつ総合的なまちづくりを進め,多様性を持ち個性的なまちの実現が問われる時代を迎えています。自治体改革を進め,市民とともに歩む行政運営に努めなければなりません。積極的に情報の提供を行いながら,まちづくりを進める必要があります。
 さらに,行政から地域やボランティア団体,NPOなどへの分権など,責任ある協働のまちづくりを進めることにより,地域主権の流れをつくり,活力ある社会を形成することが求められています。
4)  情報技術革命の進展
 20世紀は,科学技術の発展によって大きく社会が変化しました。今も,技術革新が想像を超えた速度で進行しつつあります。中でも,情報の伝達や共有手法の高度化,簡素化などの情報技術革命は,一人一人のくらしにまで浸透し,個人のライフスタイルを大きく変化させています。女性や社会的な弱者とされた方々の活躍の場も広がりました。だれもが時間や空間を超えて気軽に参加できるなど,協働のまちづくりを推進するうえで,有効な手段の一つであり,今後のまちづくりに生かす必要があります。
 一方,急激な情報化の中で,情報弱者の発生や個人情報の漏えいなど,新たな問題も表面化しています。個人情報保護方策を徹底するとともに,様々なメディアの活用や広報手段の工夫,情報化教育など,情報格差が生じないよう努めなければなりません。


 第2章 まちの将来像

第1節 まちづくりの基本的な考え方

 20世紀は,2度にわたる世界大戦を経験するなど,戦争の世紀といわれています。今でも,世界の各地で局地的な紛争はやんでいません。平和な世界の建設は,市民一人一人の願いです。人の心と心の結びつきを深め,平和な社会を築いていかなければなりません。
 調布のまちは,首都東京の都会としての魅力と武蔵野の歴史や自然,双方の魅力を併せ持って成長してきました。古くから交通の要衝であり,布田五宿と呼ばれる甲州街道の宿場町として栄え,人,物,情報の交流拠点の役割を果たしてきました。
 これからも,その地理的条件を生かし,交通の利便性が高く,様々な都市機能を備えた出会いやふれあいのある交流拠点として,また,情報関連の集積を生かした高度情報都市として,人が集まる楽しく魅力的なまちづくりを進めていくことが必要です。
 一方,社会は繁栄を追い求めた時代から,活力ある安定をめざすものになろうとしています。一人一人が支え合い,やさしさに包まれて,いきいきと安心して住み続けられることが重要です。
 こうした「安心」,「やさしさ」,「活力」の視点から,21世紀初頭の調布のまちを展望し,まちづくりを進めるうえでの基本的な考え方を,次のとおり掲げます。
1)  個の尊重
 一人一人が地域の中で役割と責任を担い,自己実現できる舞台を求めています。そして,だれもが人間として尊重され,安心して年を重ねることのできるまちの実現を望んでいます。
 みんなが元気に交流を深め,互いに支え,学び合いながら,ともに育つまちをめざします。
 さらに,文化や生活習慣の違いなどを超えて,やさしさをもって他者を包み込む社会を築くために,しっかりとした個を確立しながら,まちづくりに参加,参画することが求められます。こうした参加を広げることにより,多様で活力のある個人とまちの実現をめざします。
2)  良好なコミュニティの形成
 コミュニティは,人と人が心を結び,支え合い,学び合いの場となるものです。また,様々な交流を通してくらしが豊かにはぐくまれるなど,最も身近な生活の場でもあります。一人一人の多様な個性や価値観などを包み込む,良好なコミュニティの形成をめざします。
 さらに,市民参加にも,従来の発想を超えた視点が求められます。コミュニティによる合意形成のしくみ,ボランティア団体等との協働のしくみなど,新たなまちづくりの在り方を確立する必要があります。だれもが参加,参画することで「わたしたちのまち」を実感でき,愛着と誇りを持って元気に行動できるまちをめざします。
3)  自然との共生
 都市化の進展により,雑木林や農地などの緑,また湧水や地下水の減少など,地球環境問題に直結する課題に直面しています。長期的な 観点から自然との共生を真剣に考え,あらゆる主体が自覚をもって行動し,良好なまちを次代に引き継がなければなりません。
 人と自然とのつながりを大切にし,うるおいとやすらぎのあるくらしを築くことが求められています。五感で自然を楽しむことができるようまちを再生することが重要です。都市としての利便性と自然環境との調和のとれたまちづくりを進めながら,市民の共有財産である水と緑を守り育てるとともに,循環型社会の形成をめざします。

第2節 まちの将来像

 これまで,まちづくりの目標として掲げてきた「すてきにくらしたい・愛と美のまち調布」を実現するには,一人一人が,コミュニティでの様々な活動を通して,まちに誇りと愛着をもって,いきいきと暮らし,安心して住み続けることのできるまちづくりが必要です。さらに,人や環境にやさしく,活力あるまちをつくることが求められます。
 このため,21世紀初頭のまちの将来像を『みんながつくる・笑顔輝くまち調布』とし,みんなで力を合わせてまちづくりを進めます。

第3節 まちづくりの枠組み

1 目標年度
 この基本構想は,21世紀初頭のまちづくりの基本的な方向を示すものであり,平成24年度(西暦2012年度)を目標年次とします。

2 人口規模
 調布市の総人口は,首都東京の成長とともに増え続けてきました。現在,出生率の低下等により伸びは鈍化し,人口は安定した状態となっています。しかし,平成20年前後を頂点に減少することが予測されます。したがって,この基本構想においては,市民一人一人が快適に働き,学び,遊び,憩うことのできる20万人都市をつくることを,まちづくりの枠組みとします。

第4節 基本目標

 まちの将来像「みんながつくる・笑顔輝くまち調布」を実現するため,ひと,くらし,まちに焦点を当て,次の基本目標のもと,まちづくりを進めます。

1 いきいきと元気なひとづくり
 一人の人を大切にして,ともに育ち,様々な分野で経験や努力が生かされ,自己実現できるまちをめざします。
 また,自立した市民一人一人が,学び合いながら良好なコミュニティを形成し,人の輪がひろがるまちをめざします。
2 住み続けられるくらしづくり
 だれもが住みなれたまちで,安心して年を重ねることができるよう,総合的な福祉サービスの基盤を整えます。
 また,水と緑などの自然と共生して,すてきにくらすことができ,地震や火事などの災害や交通事故,犯罪からも安全なまちをめざします。
3 人が集まる楽しいまちづくり
 出会いとふれあいがあり,にぎわいのあるまちづくりを推進し,行ってみたい,住んでみたいまちをめざします。
 また,だれもが自由に交流できるよう,他都市とのネットワークなど広域的な視点から道路交通網の整備を推進するとともに,公共交通の充実を図り,歩いても楽しいまちをめざします。

 第3章 まちづくりの基本方向

 基本目標の達成に向けて,次のとおり具体的な施策の基本方向を明らかにし,計画的かつ総合的なまちづくりを推進します。

第1節 「いきいきと元気なひとづくり」をめざして

1 生涯学習によるまちづくり
 次代を担う子どもたちが,いきいきと目を輝かせ,のびのびとたくましく成長することを願い,創造性に富んだゆとりと特色のある教育を進めます。子ども,家庭,学校,地域,そして行政が,それぞれの役割を明確にし,心の教育の充実に取り組みます。
 また,生涯にわたって学び合うための場や情報を提供し,学習機会のより一層の充実,拡大に努めます。こうした学習によって得た経験や能力などを生かすことができるよう,生涯学習によるまちづくりを推進します。
 さらに,だれもが自由時間を楽しむことのできるよう,年齢や体力,身体機能に応じ,スポーツ・レクリエーションに親しめる場や機会の充実を図ります。

2 文化をはぐくむまちづくり
 市民一人一人が,充実感のある生活文化,芸術文化を創造し,享受できるまちをともに築くことが求められています。
 まちの歴史や伝統文化を継承し,守りながら,新たな市民文化の創造に向けた自主的活動を支援するとともに,活動する場や文化にふれる機会の充実を図ります。
 また,東京スタジアムを核に,体育館,プール,武道場,アイスアリーナなど,総合的なスポーツ施設を拠点として,新たなスポーツ文化をはぐくみながら,国内外に向けて情報を発信します。

3 活力あるコミュニティづくり
 人と人とのつながりを深めることにより,地域社会に新たな活力を生み出しながら,まちづくりを推進することが大切です。
 支え合い,学び合う良好なコミュニティを形成するため,活動の拠点を整備するとともに,ボランティア団体等,市民の自主的なまちづくり活動と協働し,団体間のネットワークづくりを支援します。また,男女が,互いの理解と尊重に基づき,家庭,地域,職場など,社会のあらゆる場面でともに協働し,それぞれの能力や個性を発揮できるまちが求められます。本格的な男女共同参画社会の実現に向けて,様々な環境づくりを推進します。
 さらに,姉妹都市をはじめとして,国内外の諸都市との交流など,人に出会い,語らうしくみと場づくりを進め,世界平和の実現をめざします。

第2節 「住み続けられるくらしづくり」をめざして

1 くらしを支えるまちづくり
 行政が決める福祉から,市民が自ら選択し利用する福祉へと,施策の在り方が大きく変化しました。地域で支え合うまちづくりを推進し,高齢者や障害者が安心して豊かにくらせるよう,福祉の基盤整備を推進するとともに,在宅サービスの充実に努めます。
 社会経済状況等,様々な要因から少子化が進んでいます。子育て支援の場づくりや相談事業の展開を通じてしくみづくりを進め,安心して子どもを産み育てることのできる環境を整えます。
 また,自分の健康を自分で守り,つくりながら生涯を健康で過ごすことは多くの市民の願いです。疾病の早期発見から予防を中心とした健康診査や健康教育を充実するほか,健康づくりに関する情報拠点の整備を進めます。

2 心地よい生活空間づくり
 まちを特徴づける多摩川や野川,仙川の水辺,崖線の緑地,さらには農地や樹林など,長期的な視点から,武蔵野の面影を残す市民に親しまれる自然環境の保全に努めます。加えて,地下水の涵養と生物の多様性を維持するため,水循環を可能とするまちづくりを進め,人と自然との共生を実現していきます。
 また,今ある農地は,生産の場としてのみならず,身近な自然環境としても貴重なものです。都市農業を守りはぐくみ,農のあるまちづくりを推進します。
 さらに,市民,企業,行政が一体となってごみの減量とリサイクルを推進し,循環型社会の形成に向けて,良好な生活環境を整えます。

3 安全にくらせるまちづくり
 生命や財産を守り,日々安心してくらすことのできるまちをめざし,複雑化する犯罪や交通事故のないまちづくりに努めるとともに,上下水道の設備改善など,生活環境の条件整備を進めます。
 また,大震災や火災,風水害などの災害からまちを守るため,市民と行政が一体となって地域防災対策を推進し,防災都市づくりを進めます。さらに,多様化する消費生活に関する問題に対処し,消費者の安全と利益の確保を図ります。

第3節 「人が集まる楽しいまちづくり」をめざして

1 ときを楽しむまちづくり
 わたしたちの生活を支えるとともに,交流の場ともなる魅力とにぎわいのある買物空間の育成,整備を進めます。特に,広域的な商圏も視野に入れ,市民,企業,行政が一体となって,中心市街地の活性化を進めます。
 また,様々に変化していく社会経済情勢の中,足腰が強く,情報通信技術を活用した在宅勤務などの新しい就業形態にも対応した,活力ある産業の育成を支援するため,大学や研究機関などと連携し,職住近接のまちづくりの実現に努めます。
 さらに,深大寺や実篤公園など,様々な地域資源を生かすとともに,緑のネットワークを形成するため,公園,緑地の整備を推進します。

2 空間を楽しむまちづくり
 京王線連続立体交差事業及び駅前広場や交差道路の整備に合わせて,計画的なまちづくりを推進し,南北市街地の一体化によるにぎわいのある魅力的な中心市街地の形成をめざします。
 また,高齢者や障害者に対応した住宅など,良質な住宅の供給を促進するため,多様な世代や世帯構成に合わせた住宅供給の誘導,公共住宅の建替え等を推進するとともに,安全で快適な住宅市街地を創出します。

3 歩きたくなるまちづくり
 身近な生活道路の着実な整備を図るとともに,ゆったりとした歩行空間を確保し,遊歩道を整備するなど,人が中心となる歩いて楽しいまちづくりを推進します。
 また,子どもや高齢者,障害者にも,安全でやさしい交通ネットワークを形成するため,バス等の公共交通を充実するとともに,広域的な視点から幹線道路網の整備を推進し,交通環境の向上をめざします。

 第4章 構想の実現に向けて

 この基本構想に掲げたまちづくりの目標実現に向けて,基本計画,さらには実施計画を策定し,毎年度の予算編成の指針とするなど,総合的かつ計画的な施策展開に取り組んでいきます。また,執行体制についても,時代の変化に柔軟に対応し,不断に見直しを行います。

第1節 市民が主役のまちづくり

 公共的なサービスの供給主体として,ボランティア団体やNPOなどの位置付けが見直されています。さらに,企業が介護保険事業者として参加をしたり,公共施設の設置を行うなど,これまで行政が独占していたサービス提供の在り方が変化しています。市民にとってより良いサービスの供給ができるよう,各主体間の総合調整を行うなど,行政に求められる役割も,これまでとは大きく異なってきています。
 様々な媒体や情報通信技術を活用して,より一層の双方向の情報提供を進め,参加しやすいよう行政の透明性を高めるなど,市民が主役のまちづくりを推進します。
 さらに,地域の特性や歴史,文化を生かし,協働のしくみをシステム化しながら,ともにまちづくりを実践します。

第2節 21世紀の市役所づくり

 市役所は,最も身近な行政として,自主的かつ総合的にまちづくりを推進する役割と責任を広く担っています。
 このため,信頼される市役所をめざして,市民が主役のまちづくりを推進し,最少の経費で最大の効果が発揮できるよう,あらゆる資源の有効活用を図るなど,行財政の改革を行い,市民の視点に立って行財政運営を進めます。
1 組織機構の整備
 新たな行政課題や時代の変化に柔軟に対応するため,簡素で,かつ,市民にとって分かりやすい組織を前提に,見直しを行っていきます。特に,市民参加に伴う総合調整機能や地域ごとに総合的なまちづくりが推進できるよう,組織機構の在り方を見直します。

2 人材の育成
 分権時代においては,前例にとらわれず積極果敢に行政運営に取り組むことが求められています。また,様々な市民要望にこたえ,政策に生かすことのできる職員の育成が,急務の課題となっています。市役所が市民から信頼されるためにも,職員一人一人が意識改革を進め,高い資質を有することが必要です。
 人事任用制度や給与体系の見直しを進めるほか,職員の自主的研究活動等を奨励し,職員の意欲を高めるなど,人材の育成を進めます。

第3節 計画行政の推進

 変化の激しい時代にあって,行政に求められる役割や責任は,複雑化,高度化しています。また,低成長の時代でもあり,長期的視点に立脚した合理的かつ計画的な行財政運営を進めていかなければなりません。
 このため,計画策定,事業実施,評価,改革のサイクルを確立し,施策の効果を測定しながら,きめ細かな実効性ある計画行政を推進します。

1 基本計画,実施計画等の策定
 中長期的な視点から基本計画を策定するとともに,予算編成の指針となる実施計画を策定し,総合的かつ計画的に施策を展開します。
 一方,計画の実現を担保する財政については,バブル経済崩壊後の社会情勢を反映し,これまでにない厳しい状況にあります。今後も,経済は低成長が続くものとみられ,長期的な視点から収支を見通し,財源を確保する必要があります。行財政改革を進めるとともに,重点的かつ効果的な投資を行うため,財政計画を定め,健全な財政運営を行います。
 また,各行政分野においても,部門計画等を策定し,長期的視野からまちづくりを推進します。

2 行政評価のしくみづくり
 行財政運営について,市民に対する説明責任の一つとして,施策や事務事業の目的を明確にするとともに,その成果や効果についての評価を実施し,情報提供を進めます。また,財政指標等の作成に工夫を凝らし,行政コストや投資効果を市民に分かりやすく示しながら,まちづくりを進めます。
 こうした行政評価のしくみを確立し,その成果等を活用することによって,継続的な改革を進め,基本構想の実現に向けて着実な行財政運営を行います。

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