平成20年度における基本的施策について 1 はじめに ただいま,議長のお許しをいただきましたので,私の平成20年度の市政経営に対する基本的な考えを申しあげます。 私たちの生活を取り巻く環境は,近年の異常気象に見られるように地球温暖化の危機が現実のものとなり,日常生活では,昨年来の原油価格の高騰による相次ぐ生活用品の値上げや食の信頼の揺らぎなど,不安要因が大きくなってきております。 また,わが国経済においては,原油高など原材料価格の高騰や円高,株安など国際的な不安定要因もあり,不透明感が強まってきております。 一方,国と地方の関係につきましては,地方分権改革や税財政改革について,様々な議論は重ねられているものの依然としてその方向が定まらない状況にあります。 不安感や不透明感が増す社会経済状況の中,平成20年度の市政経営に臨むに当たって,私は,調布のまちを明るい未来へと舵(かじ)を取っていくためには,既成概念にとらわれない柔軟な発想と確固たる意志をもって様々な改革を進めていくこと以外,ほかに道はないとの決意を改めて強くしたところであります。 私は,市長就任以来,この調布市をより住みやすいまちに,そして市民の皆様がいつまでもこの調布市に住み続けたいと思えるまちにしたい,そのような志を胸に抱きながら,21万6千市民の一層の福祉向上と行財政改革に邁(まい)進して参りました。 平成19年度は,議員の皆様をはじめ,多くの市民の皆様から御意見をいただきながら新たに策定いたしました「調布市基本計画」のスタートの年であり,まちづくりの重点的な取組として掲げた,「安全・安心のまちづくり」,「子ども・教育施策の充実」,「福祉・健康施策の充実」,「京王線連続立体交差事業と一体となった中心市街地の街づくり」,「自然環境の保全と資源循環型社会の形成」の5つの取組を中心に,諸施策の推進に全力で取り組みました。 安全・安心の施策では,学校施設の耐震化の推進や市内パトロールの充実など,市民の生命と財産を守る取組を進めました。子ども・教育施策では,保育園の待機児童解消に向けた取組や学童クラブの充実をはじめ,『「子ども 夢 すこやか まちづくり」〜いじめや虐待のないまち宣言〜』による,いじめの根絶に向けた取組,スクールサポーターの全校配置や特色ある学校づくりなど,教育環境の向上を図る取組を進めました。 また,福祉・健康施策では,介護予防事業の充実や障害者自立支援への調布市独自の取組など,市民一人ひとりが健康で生きがいをもって暮らせる地域社会づくりを進めました。 一方,街づくりでは,京王線連続立体交差事業の促進とともに,地域経済の活性化に向け,中心市街地活性化基本計画策定の取組や新たな市民参加手法による地域別街づくり方針の検討を進めました。 また,環境分野では,調布市に残された貴重な緑の保全のほか,他の自治体に広域支援をお願いしているごみ処理につきましては,市民の皆様にも御理解と御協力をいただき適正処理に努めているところであります。 私にとりまして2期目の実質的な初年度となります平成19年度には,財政の健全性にも留意しながら,市民の生活を守る諸施策と将来に向けた夢のあるまちづくりに取り組み,「みんながつくる・笑顔輝くまち調布」を目指す歩みを着実に前に進めることができたものと認識しております。 「調布市基本計画」をはじめ,「調布市基本計画推進プログラム」や「第3次調布市行財政改革アクションプラン」の2年次目になる平成20年度におきましても,各計画の着実な推進とともに,市民・生活者の視点を大切にしながら,参加と協働をより一層推し進め,改革の速度を緩めることなく,市政経営に取り組んで参りたいと考えております。 市民の皆様との信頼関係は協働を進めていくうえで欠かすことのできないものであります。しかし,先の公金不適正経理問題により,大切な信頼関係を大きく損ねてしまったことは,誠に遺憾なことでありました。行政を預かる責任者として,改めて市民,議会の皆様に深くお詫び申しあげるとともに,私自身がリーダーシップを発揮しながら再発防止に取り組み,市民から信頼される市役所づくりに全力で取り組んで参る所存であります。 本日,ここに平成20年度の市政経営の基本方針について所信を申し述べ,市民の皆様そして御参集の議員の皆様に,更なる御理解と御協力を賜りますよう,心からお願いを申しあげます。 2 地球環境問題 さて,地球温暖化問題は,人類の生存を脅(おびや)かす深刻な環境危機として大きくクローズアップされております。 環境問題については,既に30年以上前,1970年代初頭にローマクラブから先駆的な提言として「成長の限界」が発表されておりますが,環境破壊に対する警鐘が活かされず,地球環境は,21世紀に入り更に悪化しました。 国内外でこの問題に対する取組が加速する中,昨年12月には国連の気候変動枠組条約第13回締約国会議(「COP13」)において,京都議定書後の温室効果ガス削減体制についての道筋が採択され,2009年の合意に向け,国際交渉が本格的にスタートすることになりました。また,本年7月には北海道洞爺湖サミットの開催が予定されており,わが国に対しては,主催国として主導的な役割を果たすことが期待されております。 京都議定書の合意から10年,本年から先進国に義務付けられた温室効果ガス削減の約束期間が始まりますが,現状の努力だけでは日本に割り振られた削減目標の達成は困難であるといわれております。 既に,国や経済界では地球温暖化防止への取組を進め,一定の効果が報告されております。一方,一般家庭からの温室効果ガスの排出量が増加していることから,温室効果ガスの削減目標を達成していくため,市民や事業所,地方自治体など,地域における取組の積み重ねがより一層大切になっております。 調布市は,市庁舎及び文化会館たづくりでの取組実績に対する高評価により,民間企業を含む全国の事業所の中から自治体としては初めて「第3回優良ES(エス)CO(コ)事業」の金賞を受賞しました。地球温暖化対策の一環として,コスト削減メリットとともに,高い省エネルギー効果を実現したこうした取組をはじめ,今後も,地方自治体の立場からできる様々な取組を積極的に推進して参りたいと考えております。 3 平和 国内ではいじめや虐待,DVなどによる傷ましい事件が未だに繰り返されております。また,海外ではテロによる犠牲者が後を絶ちません。 私は,市民に最も身近な地方自治体においては,人権の尊重や平和への貢献,そして調布の未来を担う子どもたちの健やかな成長を大切にしていきたいと考えております。 「調布市基本計画」では,子ども・教育施策の充実を重点的な取組の一つに位置付けるとともに,人権の尊重,平和への貢献についても,それぞれ基本計画の40の施策に位置付けており,引き続き取組を進めて参ります。 また,本年は,1964年の東京,1988年のソウルに次いで,アジアで3回目となる夏季オリンピック大会が北京で開催されます。 世界各地で人種や民族,宗教,政治などによる差別や紛争が絶えない今日,私は,「スポーツを通して平和でよりよい世界の実現に貢献する。」というオリンピズムの理念が,このオリンピックを通じて世界中に広まり,平和を希求する一人ひとりの思いとして共有されることを改めて願ってやみません。 調布市では,調布市議会が昭和58年9月に「非核平和都市宣言」を宣 言してから25周年になります。 この節目の年を迎え,改めて,戦争の悲惨さ,平和の大切さ,生命の尊さについて,あらゆる機会を通じて,次世代に語り継いでいかなければならないと考えております。 このため,調布市が平成2年3月に宣言した「国際交流平和都市宣言」も併せ,2つの宣言に込められた平和の理念を念頭に置き,市民と協働しながら祈念事業に取り組んで参ります。 4 地方分権 わが国の経済情勢に目を向けてみますと,国際的な不安定要因と連動した円高や株安など景気の後退につながる懸念材料もあり,先行きの不透明感が高まってきております。地域の人々の生活を守る役割を担う地方自治体にとりましても,財政的な環境は決して明るい方向に向かっているとはいえない状況にあります。 こうした中,地方分権改革につきましては,昨年11月に公表された国の地方分権改革推進委員会の提言を踏まえ,国から地方への権限と財源の移譲など,新地方分権改革一括法の制定に向けた議論が活発になるものと思われます。 地方分権改革が目指すものは,地方自治体が自らの意思と責任において地域を運営していくという本来あるべき姿を確立することであります。これにより,地方自治体は,地域の特性や住民ニーズに合った施策を主体的に,柔軟に展開することができ,その成果として個性豊かで,活力ある地域社会の実現へとつながっていきます。 地方分権を進めていくため,国等に対しては,分権型社会にふさわしい地方の税財政基盤の確立や地方への権限移譲などについて,主張すべきことははっきりと主張していく必要があると思います。 こうした分権型社会における地方自治体として,まちづくりの基本理念 や市民,議会,行政の役割,参加と協働の在り方などを明確にして,自主 ・自立の自治体経営を推進していくため,調布市としての自治基本条例を 定める必要があると考えております。このため,平成20年度での自治基 本条例の制定に向け,市民や議会の皆様の御意見をいただきながら条例づ くりに取り組んで参ります。 5 市政経営の基本的な考え方 (1) 持続可能で,効果的・効率的な行財政運営の確立 私は,地方分権の進展や社会経済情勢の動向,市民ニーズの変化等を的 確にとらえ,市民福祉の向上を図る市政経営を推進していくためには,財 政の健全性の維持や財政基盤の確立は必要不可欠と考え,これまで中長期 的な財政見通しに立って効果的・効率的な行財政運営を行って参りました。平成18年度の決算においても,経常収支比率をはじめ,各種財政指標 の改善が図られており,調布市は,周辺他市と比較しても良好な財政状況 にあります。 今後も,限られた経営資源の効果的な活用により,持続可能な行財政運 営を維持し,より一層の市民福祉の向上を図る自治体経営を推進して参り たいとの考えから,私は,平成19年度の基本的施策を「市政運営」では なく「市政経営」の方針として表明いたしました。 市政経営を推進していくため,平成19年度には,企画部門と財政部門を統合して行政経営部を創設し,財源の効率的な配分や行政評価との連携強化を図り,計画,行革,予算の一体的な取組を推進する体制を整備したほか,全庁的な危機管理体制を構築するため危機管理担当部長を設置するなど,市政経営を進める体制の強化を図ったところであります。 今後の地方自治体を取り巻く社会経済情勢を展望しますと,右肩上がりの経済成長は現実的に考えにくく,いわゆる安定・低成長で推移していくものと考えられます。人口動態につきましても,調布市の人口は今後しばらく微増すると推計しておりますが,わが国全体で見れば人口減少社会に転じており,従来の人口増を前提としたあらゆるシステムを転換していくことが求められております。また,分権型社会の進展により,地方自治体は自主・自立した地域経営の在り方がより一層問われて参ります。 多様な課題に的確に対応し,市民サービスの一層の向上を実現していくためには,より質の高い行政サービスを効果的・効率的に提供できるよう市役所機能を強化していく必要があります。 このため,行財政改革アクションプランの推進をはじめ,行政評価システムの導入,予算編成方式の改善や人材育成,組織体制の整備など,市役所機能の強化を図る改革を積極的に進めてきたところであります。 特に,目標を持って主体的に改革・改善に取り組む体制を確立していくため,行政評価システムの導入につきましては,全庁的な取組として積極的に推進して参りました。 平成20年度においても,こうした市役所機能の強化を図る改革のスピ ードを緩めることなく,「第3次調布市行財政改革アクションプラン」の3つの柱に沿って行財政改革を着実に推進して参ります。 1つ目の柱である「市民が主役のまちづくり」では,昨年リニューアルした市のホームページの活用など,引き続き積極的で分かりやすい市政情報の提供を推進していくほか,市民の皆様から寄せられた意見等を集積して業務等の改善に活かすとともに,市民の皆様との間で市政に関する情報の共有化を図る「市民の声」データベースシステムの構築について検討を進めます。 2つ目の柱,「21世紀の市役所づくり」では,限られた財源の下,引 き続き市民の期待にこたえられる簡素で効率的な組織を構築するとともに,分権時代に対応する人材育成に取り組んで参ります。 調布市では,これまでも,市民サービスの向上と費用対効果を総合的に考慮したうえで,積極的に民間活力の導入を図って参りました。平成20年度では,学校給食調理業務の委託のほか,学童クラブの運営業務及び市民課業務の一部について民間委託を行い,業務の効率化や市民サービスの向上を図ります。また,庁内レイアウトにつきましても,市民課窓口をはじめ全庁的な見直しを行い,市民にとって分かりやすく,利用しやすい庁舎づくりを進めて参ります。 人材育成につきましては,人材育成基本方針に基づく職員研修の充実やOJTの活性化による職場研修の強化をはじめ,職務意欲を引き出す目標管理型勤務評定制度の導入など,職員一人ひとりの能力向上を図る取組を進めます。また,高水準のラスパイレス指数を是正するため,引き続き給与構造改革を進めて参ります。 3つ目の柱,「計画行政の推進」では,行政評価システムに基づく行財政運営を更に推進し,計画,実施,評価,見直しのマネジメントサイクルを定着させて参ります。また,税制改正や税源移譲などにより,住民税に対する納税者の負担感が相対的に高まっていることから,より丁寧な情報提供を行うとともに,コンビニエンスストア収納などによる利便性の向上など,市税徴収のスリーアップ作戦の取組を進め,歳入確保に努めて参ります。 組織体制につきましては,後期高齢者医療制度の創設や特定健診,特定 保健指導の開始など,多岐にわたる医療制度改革に的確に対応していくため,福祉健康部に(仮称)保健担当部長を設置するとともに,国保年金課 を福祉健康部に移管し,課の名称も(仮称)保険年金課に変更いたします。また,地域や市民ニーズに応じたスポーツ振興施策の展開を図るととも に,東京国体への対応も視野に入れ,スポーツ振興課を生活文化部に移管 し,部の名称を(仮称)生活文化スポーツ部に改めるものであります。 その他にも,公共施設につきまして計画的,効率的な維持,保全や施設の更新,有効活用等を全庁的に推進するため,行政経営部に(仮称)公共施設担当を配置いたします。 また,収入役の退任に伴い,地方自治法の規定に基づく会計管理者を設置いたします。 (2) 参加と協働のまちづくり 次に,参加と協働のまちづくりについてであります。 今,地方自治体は,少子高齢化の進行とともに,地域の実情に応じた多種,多様な課題に直面しております。 私は,こうした地方自治体の課題解決に当たっては,もはや行政だけですべてを担うのではなく,住民自治の観点から,行政と住民が責任と負担を分かち合い共に汗を流していく取組の先に,明るい展望が開けていくものと確信しております。 私は,「調布市基本計画」の策定過程において,市民の皆様と将来の調布市のあるべき姿や現状を踏まえた今後の課題について,率直に語り合い,また,建設的な意見交換をさせていただきました。こうした経験を通して,様々な知識や技術,経験,ノウハウをお持ちの方が多数いらっしゃることを改めて実感するとともに,この調布市において,先駆的な協働社会が実現できる新たな可能性の芽を強く感じることができました。 協働によるまちづくりを一歩一歩ステップアップさせていくことは,時間のかかる困難な道のりであることは承知しておりますが,これまで以上に,市民の皆様と議論や協議の場を持ちながら,真の意味での協働の実現に向けて取り組んで参りたいと思います。 平成20年度では,自治基本条例の制定に向け,職員プロジェクト・チームにより条例案づくりを進めるとともに,説明会の開催やアンケートの実施など,広範な手法を活用した市民参加による取組を進めて参ります。 また,市民との情報の共有化を推進するとともに,市民参加のルールを定めた「市民参加プログラム」をより実効あるものとするため,主要な市民参加手法についての指針を作成いたします。また,NPOや市民活動団体等との協働が円滑に推進できるよう,具体的な協働のしくみづくりも進めて参ります。 調布市を4つの地域に分け,将来像やその実現に向けた方策などを定める地域別街づくり方針の策定に当たっては,従来の公募に加え無作為抽出により検討委員会に参加を呼びかけるという新たな手法を実施し,多くの方に応募いただきました。参加者が少ないなど市民参加の手法が課題となっている中,今回の結果を大変心強く思うと同時に,参加手法の工夫の必要性を強く感じたところでございます。引き続き市民の皆様がより参加しやすい手法を工夫して参りたいと考えております。 昨年からいわゆる団塊の世代の方々が,退職期を迎えております。多様な経験や技術などを地域のまちづくりに活かしていただけるよう,生涯学習やボランティア活動への参加の機会を提供するほか,講演会や体験教室などの啓発事業に取り組んで参ります。 また,行政としても,参加する人が「地域に貢献している・地域から必要とされている」といった意識を持つことができるよう支援していくことは,ボランティア活動やNPO活動の一層の活発化につながることから,引き続き市民活動支援センターにおける各種事業の充実を図って参りたいと考えております。 地方分権の進展に伴い,より重要性が増している地域コミュニティの醸成に向けた取組といたしまして,活動の拠点となるふれあいの家の設置や新たな地区協議会の設立など,地域住民が自ら地域の課題解決に取り組むことのできる環境整備を進めて参ります。 また,調布市体育協会をはじめ,サッカーJリーグ「FC東京」とのパートナーシップの下,市民スポーツの振興や青少年の健全育成などを協働して推進して参ります。さらに,市民の生涯学習や文化活動の活性化を図るため,調布市文化・コミュニティ振興財団,調布市文化協会や近隣の大学等との連携による取組を進めて参ります。 また,男女共同参画社会の形成を推進していくため,男女共同参画推進センターを拠点として,引き続き各種事業を実施して参ります。 木島平村との姉妹都市交流につきましては,平成22年度をもって木島平山荘業務を終了することとしていますが,市民団体が企画する交流事業に対する支援等を検討するなど,姉妹都市としての絆(きずな)を一層深めていくための方策を木島平村とともに模索して参ります。 6 予算編成に当たって 続きまして,平成20年度予算編成についてでございます。 本年4月から地方財政健全化法が施行され,決算における新たな財政指標の導入や,財政健全化計画に関する規定が設けられるなど,地方公共団体に対しては,従来にも増して,健全性をより一層意識した財政運営が求められております。 調布市は,現在,地方交付税の不交付団体であり,多摩26市の中でも高い財政力を有しておりますが,今後,新ごみ処理施設建設をはじめ,調布市固有の大きな財政需要をいくつか抱えていることから,引き続き中長期的な視点で健全性に留意していく必要があります。 平成20年度予算につきましては,現在及び今後の社会経済情勢を踏まえ,市税収入等一般財源の大幅な増収が見込めない中,基本計画の「まちづくりの5つの重点的な取組」の推進などにより,市政の基本である市民福祉の増進を図りつつ,健全な財政の維持に努めることといたしました。 そのため,第1に行政評価と連動した前年度決算振り返りによる全事務事業の改革・改善。第2に財源確保とスクラップ・アンド・ビルドによる新たな財政需要等への対応。第3に中長期的な視点からの財政基盤の強化及び弾力性の向上。以上3点を基本姿勢として,一般財源枠配分方式により予算編成に当たりました。また,並行して事務事業評価結果との連動による事業の見直しや,新規・拡充事業の事前評価による厳選などにも取り組んだところです。 その結果,一般会計の歳入歳出予算は,総額741億4千万円,対前年度比2.4%の増となっております。 歳入におきましては,根幹をなす市税につきまして,景気の先行きに不透明感はあるものの,前年度とほぼ同額の433億円余を見込んでおります。また,京王線連続立体交差事業や都市基盤整備,公共施設の維持保全,団塊世代の職員の退職などの諸課題へ対応するため,各種基金を活用するとともに,市債につきましては,子ども・教育施策関係施設や学校施設の耐震化などの建設事業等に充当する借入れのほか,かねてから懸案となっておりました,調布市土地開発公社の経営健全化を図るための借入れを計上いたしております。 その一方,臨時的な財源対策については,将来の財政負担を考慮し,極力抑制を図ったところであります。  歳出につきましては,平成18年度決算に対する監査委員からの指摘事項等を踏まえ,事務事業の改革・改善を図るとともに,基本計画推進プログラム事業をはじめとする,主要な事業の着実な推進のため,財源を重点的に配分したほか,市民生活の維持向上のため,医療制度改革への対応など社会保障関係経費を確保いたしました。また,投資的経費につきましては,京王線連続立体交差事業と一体となった中心市街地の街づくり,教育施設等公共施設の耐震化,(仮称)調布市子ども発達センターや学童クラブをはじめとする子ども・教育施策関係施設やスポーツ施設など,基本計画推進プログラムの着実な推進を図る予算措置を行いました。 その結果,目的別の構成比につきましては,民生費が37.6%,以下,土木費14.2%,総務費13.8%,教育費12.5%となっております。 また,各特別会計予算につきましては,一般会計と同一基調で編成いたしましたが,特に,医療制度改革に適切に対応するため後期高齢者医療特別会計を新たに設置し,また,制度改革による他の特別会計への影響も見据える中で編成したところであります。 7 まちづくりの重要課題  (1) 安全・安心のまちづくり 続きまして,まちづくりの重点的な取組と位置付けました5つの取組について,順次,御説明申しあげます。 最初に,安全・安心のまちづくりについてであります。 私は,自治体経営において,市民が安心して暮らせるまちづくりを進めていくことは最重要の課題であると考え,これまでも緊急的な対応を含め様々な取組を総合的に進めて参りました。 昨年は,3月に石川県「能登半島地震」,7月に新潟県「中越沖地震」が発生するなど,近年の相次ぐ大規模地震の発生と合わせ,東海地震や首都直下地震等の切迫性をより身近なものとして感じた年でありました。 また,異常気象等により各地で台風や集中豪雨による被害が発生する中,昨年9月の台風9号の際には,調布市でも多摩川が増水し,災害対策本部を設置するなど非常に緊迫した状況を経験いたしました。地方自治体の災害対策も,災害発生後に備えた対策とともに,災害発生時に被害の最小化を図るための実効性のある対策がより一層求められております。 このため,調布市では,近年の大規模地震,集中豪雨による実被害の教訓はもとより,市民に最も身近な地方自治体としての対策を講ずるべく市民意見等も踏まえ,本年3月を目指して調布市地域防災計画の修正を進めているところです。 平成20年度では,地域防災計画に基づき,市民参加による災害発生時の行動マニュアルの作成に取り組むとともに,東部地域における防災備蓄拠点として,旧大町小学校跡に防災備蓄倉庫を整備するほか,その他の地域においても防災備蓄品の更新や充実を図って参ります。 災害に強い都市基盤の整備として,地域防災計画の修正と併せ策定している調布市耐震改修促進計画により,建築物の所有者が主体的に耐震化に取り組むことができるよう支援や指導を進めるとともに,緊急車両の円滑な活動に支障をきたさないよう生活道路や狭あい道路の整備を進めます。 公共施設の耐震化については,平成23年度の完了を目指して,引き続き小中学校施設の耐震化を実施するほか,改築や大規模改修が必要なものを除き,保育園や児童館,地域福祉センターなどにつきましても,平成 22年度の完了を目指して,順次,実施して参ります。 また,災害発生時の初動態勢を強化していくため,「災害発生時職員参集システム」を導入し,災害時の情報収集や連絡体制の充実を図るとともに,「危機管理図上訓練」の実施により,災害活動を行う際の迅速で的確な意思決定や関係部署,関係機関との連携等による対応力の向上を図ります。 水害発生時において避難勧告等の的確な判断を行うに当たっては,正確な情報の収集や状況把握が欠かせないことから,多摩川が増水した昨年の経験を踏まえ,国が多摩川流域に設置している河川管理カメラの映像や河川情報を活用したネットワークシステムの導入を図ります。 また,消防団の対応力の向上といたしまして,現行のポケットベルから, より汎用性が高い携帯電話メール機能を活用し,火災や災害情報を迅速かつ確実に伝える消防団連絡システムを整備いたします。 さらに,危機管理体制の強化に向けた取組として,自然災害にとどまらず,大規模事故や感染症など様々な分野の危機に迅速に対応できるよう,危機管理指針に基づく各種マニュアルの整備等を行います。 次に,市民の安全・安心の確保に向けた取組についてであります。 調布市では,「子ども安全・安心パトロール」や「市内全域夜間パトロール」をはじめ,地域防犯ボランティアや「地域安全マップ」づくりへの支援,「安全・安心メール」など,市民が安全で安心して暮らせる地域づくりを推進しております。また,「子ども交通教室」や「高齢者交通安全指導員講習会」など,交通安全意識と交通マナーの向上の取組も進めております。 こうした地域住民や警察など関係機関と連携・協力した取組により,市 内の犯罪認知件数や交通事故件数等も減少傾向にあり,一歩一歩,安全・ 安心のまちづくりが進んでいるものと認識しております。 平成20年度では,これまでの取組を着実に推進していくとともに,防犯上の効果が期待できる防犯カメラについて,市民の意識調査結果等を踏まえ,現行の商店街に限定した設置支援制度を拡充して,防犯上必要性が高い箇所にも設置支援を行うなど,犯罪発生を抑制する環境づくりを進めて参ります。 また,消費者トラブルに関する様々な相談をお受けしている消費生活相談室につきましては,悪質商法や多重債務問題等,増加する複雑なケースにきめ細やかに対応するため相談体制の充実を図ります。 安全・安心のまちづくりは,行政の責務であるとともに,地域の総合力により実現していくものであります。 今後も自助,共助,公助を基本とし,市民の皆様の生命と安全を脅かす様々な危機に即応できる態勢整備を警察や消防署,消防団等,関係機関との連携を一層強化しながら進めて参ります。 (2) 子ども・教育施策の充実  次に,子ども・教育施策の充実についてであります。 次代を担う子どもたちは,その存在が未来そのものです。  私はそうした思いから,安心して子どもを産み育てられる環境づくりを目指して,子どもや子育て家庭の支援の充実に取り組んで参りました。 保育園の待機児童の解消につきましては,これまで保育園の新設や改築, 分園の設置,民間保育園の誘致,定員の弾力化など,様々な手法を活用し, 受入枠の拡大に努め,保育園に入れない児童を少しでも減らせるよう全力で取り組んで参りました。本年4月に待機児童解消を目指した取組につきましては,予定していた民間の新設保育園の開設時期がずれ込んだことなどによりまして,大変残念ではありますが,達成が困難な状況となりました。 しかし,本年秋には,西部地域及び深大寺地域において民間の認可保育園が開設するほか,年度当初においても公立保育園の定員枠拡大や東京都認証保育所の開設のほか,秋に開設する保育園の定員の一部を早期に受け入れることができるよう緊急措置を講じるなど,多様な手法を活用した取組を推進して参ります。 次に,学童クラブにつきましては,「1小学校区1学童クラブの設置」を目指すとともに,地域の状況に応じた緊急対応を積極的に推進して参りました。 平成20年度では,第二小学校地区に開設するとともに,平成21年度早期の開設に向け,染地小学校地区及び調和小学校地区で施設整備を進めて参ります。これにより「1小学校区1学童クラブの設置」が実現しますが,近年,学童クラブ入会ニーズが増大していることから,緊急対応として,西部地域及び東部地域並びに多摩川地域での整備・開設を順次進めるとともに,その他の地域でも状況に応じた対応を検討して参ります。 放課後の安全な遊び場,居場所づくりとして実施しているユーフォーにつきましては,平成20年度では緑ケ丘小学校に設置していくほか,今後の児童数や学級数の推移,学校施設の状況等を踏まえながら,できるだけ早い時期に小学校全校に設置することを目指して取組を進めて参ります。 次に,障害のある子どもやその家庭への支援といたしましては,平成 21年度の開設に向けて調布基地跡地に(仮称)調布市子ども発達センターの整備を進めて参ります。 同センターでは,あゆみ学園で実施している療育機能等を整理・再編・拡充するとともに,新たに相談機能を付加し,地域における子どもの育ちの支援の充実やあゆみ学園の待機児童の解消を図ります。また,教育,福祉等関係機関との連携,協力を強化し,乳幼児期から就学期まで一貫した支援を推進して参ります。 児童虐待に関する相談件数が増加傾向にある中,虐待の発生予防とともに,支援が必要な家庭を早期に発見し,支援する体制の充実が必要になっております。このため,「調布市子ども家庭支援センターすこやか」で実施している児童虐待防止センター事業の拡充として新たに精神保健福祉士を配置し,要保護児童等の支援に向けた取組を推進して参ります。 また,在宅子育て支援の充実につきましては,これまで様々な御要望をいただいておりましたが,新たに国領児童館に「子育てひろば事業」を開設し,育児相談と子育て家庭の交流の場を市内全児童館で展開して参ります。 母子保健事業につきましては,現在,育児相談等を目的に希望者に実施している新生児訪問事業を虐待の予防・早期発見の観点も加え,「こんにちは赤ちゃん事業」として全ての家庭に拡充するとともに,妊婦健診につきましても公費負担の実施回数を拡充して参ります。また,昨年流行した麻しんの予防及びまん延防止対策として,中学1年生と高校3年生への接種の法定化に伴う対応を図ります。 次に,学校教育についてであります。 子どもたちの学力低下やいじめ・不登校の問題,都市化や核家族化を背景にした家庭や地域の教育力の低下,教員の指導力の問題など,時代の変化とともに教育をめぐる課題も多様化してきております。 平成20年度に開設する(仮称)調布市教育会館では,様々な課題に総合的に対応していくため,各学校に設置されている教育関係機関の機能を「教育経営研究室」と「教育支援コーディネーター室」に再編した教育センターを設置し,教員の人材育成や学校教育活動の支援などを通した教育の質の向上や,発達に遅れや偏りのある児童・生徒の教育支援に取り組んで参ります。併せて,実施機関となる教育委員会事務局,教育相談所を(仮称)調布市教育会館に集約して拠点化を図り,教育環境の向上を総合的な視野から推進して参ります。 「確かな学力」を定着させる調布市独自の取組としては,子どもたちの学習意欲の醸成や学習習慣を身に付けるステップテストを一部の小学校で実施しておりますが,全校実施に向けて検討して参ります。 「豊かな個性・創造力」の育成につきましては,児童・生徒が個々の教   育的ニーズに応じた支援が受けられるよう,スクールサポーターの配置時間を拡充し,特別支援教育の支援体制の充実を図ります。 不登校の児童・生徒の自立支援や個々の状況に応じた総合的な指導の充実を図るため,旧大町小学校跡に小学校児童適応指導教室,七中相談学級の整備を進めて参ります。 次に,学校施設の整備についてであります。引き続き小中学校施設の耐震化に重点的に取り組むとともに,調布中学校体育館をはじめ,杉森小学校の体育館,プールの改築を実施するほか,上ノ原小学校給食室や第三中学校昇降機など,今後の児童数の増加や設備機能の低下に対応するための改修を実施いたします。 児童・生徒の安全確保対策につきましては,「地域安全マップ」づくりをはじめ,「スクールガードリーダー講習会」,「子ども安全・安心パトロール」の実施や「安全対策協議会」によるパトロール支援など,学校や保護者,地域,関係機関の連携により,引き続き子どもの安全確保対策に取り組んで参ります。 (3) 福祉・健康施策の充実 次に,福祉・健康施策の充実についてであります。 歳を重ねても地域の中で,健康で自立した生活を送りたいという思いは,私たちの共通の願いです。しかし,全国的な少子高齢化の進行により,安心して暮らせるための社会保障制度を維持することさえ難しくなってきております。 持続可能な社会保障制度の構築に向け,国は,措置から契約へのサービス利用制度の転換や利用者の負担方法の変更など,社会保障の基礎的な考え方や手法を大きく変革しているところです。しかし,受益と負担のバランスをどのように保っていくかなど,制度の根幹に係る課題についての方向性は未だに定まっておりません。 私は,より確かな社会保障制度を構築していくためには,こうした課題に向き合う必要があると考えておりますが,そのためには,しっかりとしたセーフティネットが制度的に保障されていることが前提になければなりません。 調布市におきましては,これまでも一定の要件の下,介護保険料の減額をはじめ,障害者自立支援法による障害者の方のホームヘルプサービスや通所施設利用料の減免制度を独自に実施するなど,利用者である市民の立場に立った取組を進めてきたところであります。 平成20年度においては,医療制度改革の一環として75歳以上の方を対象とした後期高齢者医療制度が創設されます。また,内臓脂肪型肥満により引き起こされる,いわゆるメタボリックシンドロームへの対応に着目した特定健診,特定保健指導事業が各医療保険者に義務付けられることから,国民健康保険においても40歳から74歳までの被保険者への事業実施に向けた準備を進めております。 調布市独自に実施している各種健診につきましては,現在の健診内容を維持していくとともに,更に受診率の向上を図るため,がん検診や歯周疾患検診を拡充いたします。   こうした医療制度改革や今後の障害者自立支援法の制度改正等に的確に対応し,福祉ニーズにあった,より実効ある福祉施策を展開していくため,平成20年度では調布市高齢者総合計画及び調布市障害福祉計画の改定に取り組みます。 高齢者福祉施策につきましては,地域のケア体制の拠点である市内9か所の地域包括支援センターが公正かつ中立的に事業を運営できるよう,引き続き支援して参ります。併せて,南部地域に小規模多機能型居宅介護施設と認知症グループホームを開設し,地域密着型サービスの充実を図って参ります。 障害者福祉の分野につきましては,平成20年度に予定されている障害福祉サービスの見直しへの対応とともに,障害者の自立生活支援のため,「こころの健康支援センター」の相談事業の充実や調中前市営住宅に新たな知的障害者ケアホームを開設いたします。また,「デイセンターまなびや」では,重度重複障害者のための緊急一時保護機能を付加した事業を新たに実施します。   また,多くのボランティアの皆さんとともに地域福祉の推進を中心となって担っている社会福祉協議会や社会福祉事業団,ゆうあい福祉公社に対する支援につきましても,引き続き行って参ります。 次に,健康施策についてであります。 わが国は,平均寿命においてかなりの高水準にありますが,高齢化や生活習慣の変化などにより,病気の種類も生活習慣病を中心としたものに変わるとともに,介護が必要な人の増加も深刻になっています。 また,世帯の小規模化が進み単身世帯も多い都市部においては,個人や家族の取組だけで健康を保つことが難しい面もあり,地域や職場,学校などにおける保健・福祉・医療・介護などを通じ,健康づくりを社会全体で支え合うことが必要となっております。 調布市では,平成17年に策定した「調布市民健康づくりプラン」に基づき,普段から健康を保ち,病気にならないようにする「一次予防」を重視する取組とともに,市民が主体的に取り組む健康づくりや健康づくりを地域社会で支え合う「ヘルスプロモーション」を推進するなど,市民の健康を支援する環境づくりを進めています。 平成20年度におきましても,保健センターと健康活動ひろばを活用し,生活習慣病の予防をはじめ,幼少期からの健康教育や健康づくりに取り組んでいる市民の自主グループへの支援等を行って参ります。 また,食生活をめぐる環境の変化に伴い,食育を推進していくことは,緊急の課題となっています。調布市では,平成20年度に(仮称)調布市食育推進基本計画を策定し,子どもから高齢者までそれぞれのライフステージに応じた食育の取組を推進して参ります。 日頃の運動は,健康の維持,増進にとって効果的であるといわれております。   このため,市民が日常生活の中で気軽に運動ができる環境づくりとして,調布基地跡地の留保地にスポーツ・レクリエーション施設の設置に向けた取組を進めるとともに,都立武蔵野の森公園内や旧大町小学校跡に市民スポーツ施設を整備して参ります。また,スポーツ振興の推進体制の見直しにより,生涯にわたり健康で豊かに暮らせる地域社会の実現を目指し,誰もが身近にスポーツを楽しめる環境の整備を積極的に推進して参ります。 (4) 京王線連続立体交差事業と一体となった中心市街地の街づくり 次に,京王線連続立体交差事業と一体となった中心市街地の街づくりについてでございます。 今,調布の街は,京王線連続立体交差事業とあわせた中心市街地の街づくりの進展により,街の姿が大きく変わろうとしております。 昨年は,布田駅及び国領駅の仮駅舎にエレベーターが設置され,バリアフリーに対応した橋上駅舎となりました。調布駅も本年秋頃には橋上駅舎が完成する予定です。また,昨年秋には,調布駅南口の再開発ビル「調布サウスゲートビル」が竣工いたしました。調布駅やその周辺が日々変化していく様子は,調布の街が新しく生まれ変わっていくという実感を抱かせるものであります。 また,京王線連続立体交差事業は,平成16年9月の工事着工以来,3年半余りが経過し,順調に進んでおります。これに続き,平成20年度は,シールドトンネル工事が開始され,さらに,品川通りの鉄道橋架け替え工事も行われる予定です。 京王線連続立体交差事業により,調布駅を中心とする3駅の駅前広場が南北一体化し,鉄道敷地とつながることによって,連続した貴重な都市空間が出現いたします。これまで,駅前広場の整備構想案,鉄道上部利用計画案を策定して参りましたが,これらの取組と合わせ魅力的な一体感ある都市空間を創出するため,中心市街地におけるデザイン・コンセプトづくりに取り組んで参りたいと考えております。 この中心市街地デザイン・コンセプトに基づき,京王線連続立体交差事業に併せて,総合的にデザインされた駅前広場,駅周辺施設及び鉄道敷地の都市空間を有機的に結び付け,調布市の象徴となる都市空間を創造していきたいと考えております。 調布駅の駅前広場は,調布市の玄関口であり,顔であります。このため,調布駅前広場と市役所前通り及び総合福祉センターの南側の通りの整備を進めるに当たり,グリーンホールや総合福祉センターについて,今後の在り方も含めた検討を進めて参ります。 京王線連続立体交差事業と一体となった中心市街地の街づくりも,順調に進んでいます。 調布駅南第1地区市街地再開発事業は,再開発ビルの竣工に続き,市役所前通りの整備に着手しています。市役所前通りについては,順次,用地取得を進めておりますが,歩道幅員を4メートルに広げ,電線を地中化して,歩きやすく景観に配慮した道路として整備を進めて参ります。 また,調布駅北第1地区市街地再開発事業につきましては,組合の設立認可を目指すとともに,水道庁舎用地を含む調布駅南口東地区は,市街地再開発事業による街づくりを促進するため,準備組合の設立支援,都市計画決定を目指して参ります。 調布駅周辺における歩行者空間の確保や,回遊性の向上を図る観点から重要となる調布都市計画道路3・4・28号線につきましては,京王線から旧甲州街道までの区間について,引き続き用地取得を進めて参ります。 布田駅周辺地区につきましては,布田駅南地区土地区画整理事業の推進とともに駅北口の駅前広場の整備に向け,用地取得を進めて参ります。 また,西調布駅周辺地区をはじめ,その他の地区についても,地元の皆様の街づくりの機運の高まりに合わせ,地区計画制度を活用するなど,住民発意の街づくりを進めて参ります。 中心市街地の活性化は,ハード・ソフト一体的な取組が重要であります。   現在,策定を進めている中心市街地活性化基本計画につきましては,引き続き調布市商工会をはじめ,公募市民や事業者等で構成する中心市街地活性化協議会準備会とも十分に検討を重ねて参ります。 道路ネットワークの形成に向けた取組につきましては,多摩地域における都市計画道路の整備方針に基づき,都市計画道路の整備を推進するほか,生活道路網整備計画の策定を進め,地域住民の生活に密着した生活道路の整備を進めて参ります。 自転車等駐車場につきましては,本年4月に収容台数約3,000台の駐車場を仙川駅東側の京王線上部に開設するとともに,引き続き駐車場へのアクセス道路の整備を進めて参ります。また,国領駅周辺の対策として,用地の取得に向けた協議等を進めて参ります。 都市計画マスタープランの「住み続けたい緑につつまれるまち調布」の実現を目指して,新たな市民参加手法を導入して取組をスタートした地域別街づくり方針につきましては,平成21年度の方針策定に向け,引き続き市民と協働して取組を進めて参ります。 また,かつて「東洋のハリウッド」と呼ばれた調布市では,現在,調布市文化会館たづくりを中心に多彩な映画関連事業を実施しておりますが,今後は,産業や観光,芸術・文化の振興など広範な観点から各種の映画関連事業を展開し,映画のまち調布ならではの映画関連資源を活用したまちづくりを進めて参ります。 (5) 自然環境の保全と資源循環型社会の形成 次に,自然環境の保全と資源循環型社会の形成についてでございます。  調布市には,多摩川や野川,仙川の水辺,武蔵野の面影を残す崖(がい)線(せん)樹林地や里山等の豊かな自然環境が多く残されております。 市民意識の高まりとも相まって,都心に程近い調布に残る貴重な自然環境を将来世代に残すため,積極的に取り組んで参ります。 特に,古(こ)刹(さつ)・深大寺の参(さん)詣(けい)や神代植物公園の四季折々の花と緑を楽しむために多くの方が訪れている深大寺・佐須地域につきましては,昨年7月に国史跡に指定された深大寺城跡(あと)をはじめ,崖(がい)線(せん)の緑地,湧(ゆう)水(すい),水路,田んぼ等が一体となって独特の景観を形成している,区部に一番近い里山として貴重な地域資源です。 平成20年度では,歴史的な景観や貴重な自然環境,文化資源など,豊かな地域資源を自然環境の保全とともに,にぎわいづくりにもつなげていくため,地域の皆様とともに深大寺・佐須地域の自然環境の保全活用構想の策定や深大寺地区の土地利用方針の検討を進めて参ります。また,深大寺地域をモデル地域としたエコ・ミュージアム構想の策定に向けた取組や観光振興など,広範な取組を進めて参ります。 また,水と緑の保全・回復には,市民の皆様の理解と取組への積極的な関わりが欠かせないことから,市民による自然環境保全の取組を一層促進するため,環境学習への支援や環境情報の発信とともに,自然とふれあえる場や機会の創出に取り組んで参ります。 平成20年度では,引き続き環境モニター子どもエコクラブ・雑木林塾を実施するほか,新たに多摩川の水辺を自然体験の場,遊びの場として活用するため,NPO,ボランティア団体等,地域の方々と協力しながら,「水辺の楽校」の発足に向けた準備を進めたいと考えております。 公遊園の整備につきましては,引き続き調布基地跡地の留保地の活用に向けた取組を進めるとともに,入間町一丁目第2公園,石原小前公園について,市民の皆様の御意見等もいただきながら施設整備や設計を行って参ります。 農地は,農業生産はもとより,自然環境,防災,子どもたちの環境教育など,多面性を有した貴重な環境資源でもあります。このため,農業の担い手を支援するとともに,土地所有者の御理解と御協力のもと市民農園による活用のほか,農業体験ファームを拡充して参ります。 地球温暖化防止に向けた取組といたしましては,ISO14001の実践をはじめ,チームマイナス6%運動や職員の省エネ行動等,市役所としての取組を進めるとともに,市民・事業者との協働による取組として,地域全体で温暖化対策の取組を進めるため,平成21年度の地球温暖化対策地域推進計画の策定に向け,市民・事業者の意識調査を実施いたします。 次に,ごみ減量と廃棄物の適正処理についてであります。 調布市のごみの総資源化率は,市民の高い意識に支えられ,多摩地域の中で常に上位に位置しており,平成16年度では戸別・分別収集と家庭ごみの一部有料化の開始により,調布市の最少記録となる「燃やせるごみ」の大幅な減量を達成することができたところであります。 しかし,実施2年度目以降,人口の増加や事業系ごみの増加等により,再び増加に転じておりました。さらに,昨年から二枚橋衛生組合の焼却炉停止による広域支援への財政的な負担も加わり,調布市におけるごみ減量の推進は緊急の課題となっております。 このため,市報の毎号,第一面に取組目標やごみ処理状況を掲載するなど,市民の皆様に御理解と御協力をいただけるよう取組を進めております。   平成20年度におきましても,引き続き資源循環型社会の構築に向け,分別・リサイクルの意識の定着に向けた取組を進めるとともに,市民や事業者と一体となって,ごみ減量の取組を更に進めて参りたいと考えております。 ふじみ衛生組合を事業主体として三鷹市と共同で建設する新ごみ処理施 設につきましては,環境影響評価手続を開始するとともに,本年3月の策 定に向けて施設整備実施計画の検討を進めているところであります。   平成20年度では,引き続き環境影響評価を実施するとともに,都市計画の手続を進め,平成25年度の施設稼動を目指して参ります。 二枚橋衛生組合焼却場につきましては,本年度から煙突等の解体を行っているところでありますが,平成20年度では,引き続き焼却場施設の解体に向けた工事設計を実施するとともに,敷地内に埋め立てられている焼却残さにつきまして,水質調査や土壌調査等を行うほか,組合の解散に向けた諸調整を進めて参ります。 (6) その他の主要事業 最後にその他の主要事業について御説明申しあげます。 旧大町小学校跡につきましては,周辺地域の皆様の御意見や御要望をお聞きしながら平成19年2月に策定した活用計画に基づき,平成21年度の開設に向け,スポーツ施設やふれあいの家,学童クラブ,小学校児童適応指導教室,七中相談学級等の施設整備を進めて参ります。 次に,神代出張所につきましては,老朽化した施設の廃止に向け,引き続き市民の利便性の向上にも留意し,代替機能をつつじケ丘駅周辺に確保できるよう検討を進めて参ります。 また,施設跡地については,隣接するつつじケ丘児童館や児童館ホールの在り方と併せ,有効活用に向けて多角的に検討して参ります。 調布基地跡地につきましては,味の素スタジアムをはじめとするスポーツ施設や様々な福祉施設,大学,公園などが整備,開設され,スポーツ・文化を中心とする広域的な交流の拠点としてまちづくりが進められてきました。 今後に目を向けますと,京王線連続立体交差事業と一体となった中心市街地の街づくりにより都市構造が大きく変貌を遂げる平成25年秋には,味の素スタジアムをはじめ多摩地域を中心に東京国体が開催される予定となっております。   調布市としても,この“多摩国体”ともいうべき国体を地域間の連携により多摩の魅力を全国に発信する機会ととらえ,国体の成功に向け,東京都とも連携して準備を進めて参ります。 また,調布市も競技会場として想定されている2016年東京オリンピック招致につきましては,東京都は,今後,さらに,招致に向けた様々な活動を推進していくこととしておりますが,調布市としても「都・区市町村連絡協議会」などを通して協力していきたいと考えております。 現在整備が進められている都立武蔵野の森公園南側地区においては,調布市のスポーツ施設としてサッカー場,軟式野球場,少年野球場を平成 22年度までに順次,整備する計画であります。平成20年度では,平成 21年度の開設に向けてサッカー場の整備を進めて参ります。 味の素スタジアム東側の留保地につきましては,これまで市民の皆様の御意見等をお聞きしながら利用計画の策定を進めて参りましたが,防災・スポーツ公園としての活用を目指して本年6月までに利用計画を国に提出することとしております。 また,味の素スタジアム西側都有地に計画されている東京都の総合スポーツ施設計画につきましては,調布市としてもこれまで計画の推進を強く東京都に求めてきたところであります。東京国体の開催を大きな契機ととらえ,新たな展開に向けて東京都と協議を進めて参ります。 調布駅周辺の中心市街地や調布基地跡地など,時代の移り変わりや,新 しい息吹が感じられる中,本年4月,仙川地区において,音楽・芝居小屋 のあるまちづくり事業として開設準備を進めてきた「調布市せんがわ劇場」がオープンいたします。 これに先立ち,市民参加による舞台芸術公演として,調布市にゆかりのあるテーマで様々なオープニングイベントが行われております。この新しい感覚も兼ね備えた「調布市せんがわ劇場」を「舞台芸術を楽しむ市民」を育成し支援,参画する拠点として,様々な事業を積極的に展開して参りたいと考えております。 8 おわりに 以上,平成20年度における市政経営の基本方針について,所信を申し述べさせていただきました。   わたしたちの調布市のまちが,新しいまちに生まれ変わりつつあるこの大切な時期に当たり,市民一人ひとりの生活をしっかりと守り,将来世代につなぐ夢のあるまちづくりに果敢に取り組む平成20年度予算(案)を編成いたしました。 平成20年度におきましても,21万6千市民の一層の福祉向上を目指して,まちづくりの重要課題をはじめとする諸施策の推進に全力を尽くして参る所存であります。 議員各位をはじめ広く市民の皆様の御指導,御鞭撻をお願い申しあげる次第であります。