市長コラム「手をつなぐ樹」第161号 あの夏の日

2010年9月5日 登録

調布市長 長友貴樹の写真

あの夏の日

 小学生時代に団地に住んでいたが、そこは、子どもたちにとって大変便利なところだった。なんといっても、まず遊び仲間に不自由するということはない。団地の真ん中には大きいグランドがあり、そこに行けば必ず誰かしら友達に会えた。特に夏休みは連日、人は入れ替わりながらも皆でガヤガヤと暗くなるまで時を忘れて遊びに興じていた。本当に楽しかったなあ。
 だが、いったいどうしたことか、いつまで待っても自分のほかに誰も現れない、そんな日もあった。待ちくたびれた後、仕方がないから一人でグランドに面した少し小高い丘に位置する集会所に行く。集会所の裏は日陰で、猛暑の時間帯にもひんやりした風が吹き抜ける別天地であることを知っていた。
 涼風に加えて、半ズボンで投げ出した素足にあたるコンクリート床の心地よい冷気を肌に感じながら壁にもたれていると、ついうたた寝をしてしまうほど気持ちがいい。聞こえるのはただせみの鳴き声だけ。みんなはどこへ行ってしまったのだろう。多少、意識が朦朧(もうろう)とする中で、自分だけが置いてきぼりにされたような、そんな、そこはかとない心細さにおそわれたものだ。
 夏が終わりに近づくころ、毎年なぜかあのことを思い出す。

調布市長 長友貴樹

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