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掲載開始日:2011年11月20日更新日:2011年11月20日
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平成22年度決算状況
市では、市民の皆さんに市の財政がどのように運営されているのかを知っていただくため、各年度の上半期・下半期の財政状況及び決算の状況を公表しています。今回は、平成22年度決算状況の概要をお知らせします。
歳入決算額
歳入決算額は、809億5573万円で、前年度と比較して約3億9400万円の減となりました。平成20年下半期からの経済状況の悪化に伴う個人市民税の大幅な減により、市政経営を支える市税収入が平成16年度以来6年ぶりに前年度を下回り、市税総体で約11億6,000万円の減収となると共に、各種交付金などでも引き続き減収影響を受けました。
歳出決算額
歳出決算額は、778億9646万円で、前年度と比較して約5億7,500万円の増となり、平成6年度に次ぐ過去2番目の決算規模となりました。この主な増要因としては、子ども手当の支給開始による大幅な増が挙げられます。平成22年度の歳出では、新たな基本計画推進プログラムの初年度として、5つの重点的な取組に位置付けた保育園の待機児童対策などの子育て支援施策、小・中学校校舎等耐震補強工事をはじめとする安全・安心のまちづくりなどの各種施策を着実に推進したほか、経済状況の悪化に対処するため、市民生活支援や経済対策などの重点的取組を講じました。特徴としては、子ども手当の支給開始や社会保障関係経費の増による、民生費の扶助費の大幅な増が挙げられます。また、中・長期的な財政需要への備えとして、前年度繰越金活用計画に基づく各種基金積立(財政基盤の強化)にも取り組みました。財政指標では、地方公共団体の財政の弾力性を示す経常収支比率が92,2パーセントと、市税などの減収を要因として前年度から1,2ポイント上昇し、今後も上昇する見込みであることから、市独自の財政規律ガイドラインの「財政構造の見直しの視点」による弾力性の維持・向上が不可欠な状況です。
今後の市政運営
今後を展望すると、歳入では、株価の低迷や円高の長期化などに加え、東日本大震災の影響による先行き不透明な経済状況に伴い、市政経営を支える一般財源の大幅な減収が懸念されます。一方、歳出では、高齢化の進行や経済状況の悪化に連動する扶助費などの社会保障関係経費の増や、京王線連続立体交差事業やそれと一体となった中心市街地の街づくりなど調布のまちの将来像を見据えた財政需要の大きなピークを迎えることに加え、東日本大震災で明らかとなった諸課題への対処により、歳入・歳出のギャップが一層拡大することが避けがたい状況です。
今後において、市の財政を取り巻く状況は一層厳しさを増すことから、歳入歳出両面からの不断の見直し・改革・改善と「選択と集中」の実践により対処することとしますが、なお不足する額については、各種基金の利活用と市債バランスに留意した市債活用により対処する必要があります。また、調布市は、減収影響が普通交付税で補完されない不交付団体であることから、自主・自立的な財政運営でこの難局を乗り切るため「財政規律ガイドライン」に基づく財政構造の見直し、財政基盤の強化、連結ベースでの債務残高縮減の3つの視点から進行管理を行い、市独自の財政規律を保持した中で、持続可能で効果的・効率的な市政経営に取り組みますので、市民の皆さんのご理解・ご協力をお願いします。
一般会計の決算状況
一般会計とは、市税をはじめとして、国・都からの補助金や市債を財源に、各種市民サービスの提供、都市基盤の整備などを行う会計です。
歳入 | 決算額 | 構成比(パーセント) |
---|---|---|
市税(市民税・固定資産税等) | 425億6,809万円 | 52.6 |
国庫支出金(国からの補助金・負担金等) | 101億7,080万円 | 12.6 |
都支出金(都からの補助金・負担金等) | 80億7,348万円 | 10.0 |
繰越金 | 40億2,828万円 | 5.0 |
市債 | 39億8,400万円 | 4.9 |
繰入金 | 34億1,898万円 | 4.2 |
使用料及び手数料 | 24億8,169万円 | 3.1 |
地方消費税交付金 | 22億6,317万円 | 2.8 |
その他(分担金及び負担金1.8パーセント、諸収入0.9パーセント等) | 39億6,724万円 | 4.8 |
合計 | 809億5,573万円 | 100.0 |
最終予算額に対する収入率 99.4パーセント
(注)金額は四捨五入処理し、万円単位で表記しているため、表記額とパーセントが一致しない場合があります。
歳出 | 決算額 | 構成比(パーセント) |
---|---|---|
民生費 | 330億6,352万円 | 42.4 |
総務費 | 110億3,877万円 | 14.2 |
土木費 | 102億9,601万円 | 13.2 |
教育費 | 88億8,285万円 | 11.4 |
衛生費 | 67億4,102万円 | 8.7 |
公債費 | 41億5,296万円 | 5.3 |
消防費 | 27億197万円 | 3.5 |
その他 | 10億1,936万円 | 1.3 |
合計 | 778億9,646万円 | 100.0 |
(注)最終予算額に対する執行率 95.7パーセント
最終予算額 814億2,145万円
会計別決算状況
特別会計とは、一般会計とは別に、特定の事業等を行うため、または特定の収入をもってその支出に充てるために設けられた会計です。調布市には、国民健康保険事業特別会計・老人保健特別会計・用地特別会計・下水道事業特別会計・介護保険事業特別会計・後期高齢者医療特別会計の6つの特別会計があります。
会計別 | 最終予算額 | 歳入 | 収入率(パーセント) | 歳出 | 執行率(パーセント) |
---|---|---|---|---|---|
国民健康保険事業 | 193億1,567万円 | 191億2万円 | 98.9 | 190億1,843万円 | 98.5 |
老人保健 | 5,788万円 | 4,710万円 | 81.4 | 4,710万円 | 81.4 |
用地 | 13億3,203万円 | 13億3,203万円 | 100.0 | 13億3,203万円 | 100.0 |
下水道事業 | 40億5,739万円 | 39億27万円 | 96.1 | 38億5,291万円 | 95.0 |
介護保険事業 | 105億6,123万円 | 105億7,061万円 | 100.1 | 103億8,712万円 | 98.4 |
後期高齢者医療 | 35億9,969万円 | 36億1,446万円 | 100.4 | 35億5,856万円 | 98.9 |
合計 | 389億2,389万円 | 385億6,449万円 | 99.1 | 381億9,615万円 | 98.1 |
(注)老人保健特別会計は、法律の規定により、平成22年度末で廃止となりました。
市民1人当たりの一般会計市民負担の状況
市税納税額 19万1,912円
還元額(支出額)35万1,184円
(注)平成23年3月31日現在の人口 21,811人
市民の皆さんにご負担いただいている市税の使いみち
平成22における市民一人当たりの35万1,184円の支出内訳
(注)平成23年3月31日現在の人口221,811人で各目的別の支出額を割った市民1人当たりの金額は(出内訳)表のとおりです。
市税の使い道 | 1人あたりの負担額 | 主な経費の内容 |
---|---|---|
議会費 | 1,896円 | 市議会の運営に関する経費 |
総務費 | 49,763円 | 市役所の運営・文化コミュニティの振興などに関する経費 |
民生費 | 149,078円 | 子どもから高齢者までの福祉に関する経費 |
衛生費 | 30,377円 | 市民の健康管理・ごみ処理などに関する経費 |
労働費 | 316円 | 市内の勤労者互助会・労働振興などに関する経費 |
農業費 | 597円 | 市内の農業の育成・市民農園の運営などに関する経費 |
商工費 | 1,791円 | 市内の商工場の振興・花火大会などの観光に関する経費 |
土木費 | 46,427円 | 道路整備・市街地再開発など都市基盤の整備に関する経費 |
消防費 | 12,186円 | 市内の地域防災対策などに関する経費 |
教育費 | 40,035円 | 小・中学校などの教育関係・スポーツなどの社会教育に関する経費 |
公債費 | 18,718円 | 公共施設の建設など多額の支出をするために借入れたお金の返済に関する経費 |
主な基本計画推進プログラム事業費
基本計画推進プログラムは、市の基本構想「みんながつくる・笑顔輝くまち調布」の実現に向け、基本計画に定める施策の目標を達成するための事業計画です。
総務費
- 音楽・芝居小屋のあるまちづくりの推進 7,519万円
- 安全・安心パトロールの実施 4,223万円
民生費
- 生活保護に基づく援護の実施 50億5,959万円
- 障害者福祉サービスの推進 17億9,563万円
- 認証保育所の活用・誘致 4億8,221万円
- 学童クラブ運営の充実 4億4,143万円
- 地域生活支援事業の充実 1億5,758万円
衛生費
- ごみ・資源物の収集・積替・搬送 16億2,236万円
- がん検診の推進 4億6,583万円
商工費
- 中小企業事業資金・あっせん 5,556万円
土木費
- 都市計画道路の整備 20億1,723万円
- 京王線連続立体交差事業の促進 9億3,689万円
- 布田駅南土地区画整理事業の推進 5億5,303万円
- 生活道路の整備 2億404万円
消防費
- 消防費の向上(消防事務委託)23億8,318万円
教育費
- 小・中学校施設の整備 15億7,899万円
- スポーツ施設の整備 5億1,788万円
- ユーフォー(放課後遊び場対策事業)の充実 9,038万円
市債残高の状況
市債とは、短期間に多額の財源を必要とする事業に充てるため、国・東京都などから借入れる資金で、毎年返済していきます。この市債には、資金を調達する、事業にかかったお金を後年度へ平準化し、世代間の負担を公平にする効果があります。
目的別 | 市債残高 | 構成比率(パーセント) |
---|---|---|
土木債 | 153億7,880万円 | 35.8 |
臨時財政対策債 | 89億1,233万円 | 20.7 |
教育債 | 49億6,500万円 | 11.5 |
減税補てん債 | 43億3,658万円 | 10.1 |
民生債 | 35億3,570万円 | 8.1 |
住民税等減税補てん債 | 27億5,040万円 | 6.4 |
総務債 | 13億9,040万円 | 3.2 |
衛生債 | 7億2,214万円 | 1.7 |
臨時減収補てん債 | 4億9,835万円 | 1.2 |
消防債 | 3億3,126万円 | 0.8 |
枠外債 | 1億6,500万円 | 0.4 |
合計 | 429億8,596万円 | 100.0 |
下水道事業特別会計
目的別 | 市債残高 | 構成比率(パーセント) |
---|---|---|
下水道事業債 | 56億2,393万円 | 100.0 |
用地特別会計
目的別 | 市債残高 | 構成比率(パーセント) |
---|---|---|
教育債 | 2億9,813万円 | 100.0 |
市有財産の状況
- 土地 778,677.96平方メートル
- 建物 360,841.40平方メートル
- 基金 170億4,718万円
- 車両 135台
- 有価証券 3億9,555万円
- 出資による権利 8億8,179万円
各種財政指標
地方自治体では、毎年度、全国統一のルールにより、決算数値を分類整理しています
(地方財政状況調=決算統計(注1)。この調査により、地方自治体の財政状況の把握、地方自治体間の財政状況の比較など、財政運営の分析などが可能となっています。
調査に当たっては、各地方自治体の会計設置の状況や各会計間の重複等を整理した「普通会計(注2)」という統計上の会計を用いています。
調査の結果、得られる指標としては、財政構造の弾力性を表す経常収支比率や公債費の負担の程度を表す公債費比率などが代表的なものであり、地方自治体の財政運営の羅針盤ともなっています。
(注1)決算統計とは、地方財政状況調査の一つとして毎年行われている調査。結果は、「市町村別決算状況調」や「地方財政白書」として公表されます。地方財政に関する統計で基本的かつ重要な統計の一つです。
(注2)普通会計とは、上下水道事業、国民健康保険、介護保険事業などの事業会計分を除く、一般会計を中心とした統計上の会計です。調布市では、一般会計と用地会計の合算額から両会計の重複分と介護保険の事業主としての支出分を控除したものが普通会計額となります。
基金残高(定額運用基金を除く)
財政調整基金とは、市町村における年度間の財源不足を補うための積立金です。
18年度 | 19年度 | 20年度 | 21年度 | 22年度 | |
---|---|---|---|---|---|
基金残高 | 130億7,600万円 | 137億9,300万円 | 122億300万円 | 111億9,600万円 | 101億4,200万円 |
財政調整基金(基金残高のうち) | 50億2,600万円 | 47億4,600万円 | 43億6,800万円 | 43億5,800万円 | 43億6,400万円 |
公債費負担比率
公債費負担比率とは、市税など(一般財源)の総額に対して、借入金の返済などに充てられる市税などの額がどのくらいであるかを指標化したもので、10パーセント以内は良好、15パーセントが警戒、20パーセントが危険ラインとされています。
- 18年度 7.9パーセント
- 19年度 9.5パーセント
- 20年度 9.0パーセント
- 21年度 8.1パーセント
- 22年度 7.3パーセント
経常収支比率
経常収支比率とは、市町村の財政の健全性を判断する代表的な指標です。
((注)臨時財政対策債などを指標に算入しています)。
- 18年度 85.3パーセント
- 19年度 90.4パーセント
- 20年度 92.2パーセント
- 21年度 91.0パーセント
- 22年度 92.2パーセント
財政力指数
財政力指数とは、交付税制度による全国一律の基準で算定した地方公共団体の財政力を示す指数で、この比率が1を超えると普通交付税の不交付団体となります。
- 18年度 1.320
- 19年度 1.348
- 20年度 1.364
- 21年度 1.351
- 22年度 1.309
平成22年度調布市各会計歳入歳出決算等審査意見(抄)
地方自治法の規定により、審査に付された平成22年度調布市各会計決算及び証書類その他政令で定める書類並びに基金の運用状況を示す書類について審査した結果、決算書類は法令に基づいて調製され、各会計及び各基金の計数は、それぞれの関係諸帳簿及び証拠書類と照合した結果、いずれも符合し、誤りがないことを確認し、おおむね適正な決算であることが認められました。
- 調布市監査委員 大輪 威
- 調布市監査委員 玉木 國隆
- 調布市監査委員 橘 正