市長コラム「手をつなぐ樹」第243号 恵まれた環境の中で

2014年10月5日 登録

調布市長 長友貴樹の写真

恵まれた環境の中で

 北京を経由してモンゴルの首都ウランバートルに赴いたのは、今から約20年前の3月のことだった。マイナス20度以下にまで気温が低下する季節のことゆえ、完璧な防寒態勢を整えた渡航であったことは言うまでもない。
 出張の目的を果たしたのち、初めて訪れた草原の国を現地の人に案内してもらった。牧畜を生業とする営みは素朴そのもので、自給自足の生活ぶりには感心させられた。ただ、当然のことながら、発展途上国における日々の暮らしは、不便かつ多くの困難を伴うものだった。
 たとえば、ウランバートルで仕事を開始した日に、私の付添役の現地機関スタッフが、わずかではあるが約束の時刻に遅れてきた。初日なので仕方なく厳しく注意したが、まだ少女のような面影の女性は、「遅れましたか」と意外そうな表情で答えた。あとから聞けば、朝早く起きて酷寒の草原を2時間歩いてきたそうだ。彼女の腕に時計が無いことにふと気付いたとき、私は一抹の後味の悪さを覚えた。
 今顧みて、厳しい環境が人づくりに及ぼす利点も感じざるを得ない。そして、大相撲におけるモンゴル勢の不屈の闘志を目の当たりにするときには、どうしても、わが国における子どもたちの育て方の難しさを考えてしまう。不便な生活に後戻りさせることができないだけに。

調布市長 長友貴樹

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