市長コラム「手をつなぐ樹」第245号 人類の進歩とは

2014年11月5日 登録

調布市長 長友貴樹の写真

人類の進歩とは

 最近、仕事がらみで故川島雄三監督の映画を立て続けに2本鑑賞する機会を得た。そのうちの1本は昭和30年代前半を時代背景にしており、同時代の日常生活における人と人との温かい触れ合いとともに、インフラが未整備な不便かつ不衛生なまちのありさまが懐かしく偲ばれた。
 未舗装の道路では目を開けていられないほどの砂埃(ぼこり)が立ち、ひとたび雨が降れば、通行人は水たまりを避けながら滑らないように歩くだけでも苦労をしてしまう。家屋も今と比べようもないほど安普請で、雨漏りがすれば洗面器で受け止めるしか術(すべ)がない。無論、便利な電化製品などは一般家庭にほとんど普及していなかった。
 あれから半世紀を超える時が経過し、生活における利便性の向上は著しく、まるで別世界にいるようだ。ただ私は時折、将来的にこれ以上、飛躍的に便利になる必要は果たしてどこまであるのだろうかと考えてしまう。機械に頼り切って暮らしにおける手作りの創意工夫が薄れ、年中室温をコントロールした快適な空間でのみ時を過ごし自然と触れ合う機会が極めて乏しくなるとすれば、それは人類の進歩ではなく、退歩と言うべきではないだろうか。
 現在の先進国における生活水準あたりでもう十分ではないかと思うのは私のみなのだろうか。

調布市長 長友貴樹

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