市長コラム「手をつなぐ樹」第327号 彼岸に思う

2018年10月5日 登録

調布市長 長友貴樹の写真

彼岸に思う

 私の父親は、30年以上前に会社勤めを終えると郷里である九州での余生を選択し、東北育ちの母を連れて東京から移り住んだ。いつしか時は流れ、今から10年ほど前、すでに両親とも年齢は80代後半となっていた。
 その時点ではまだ二人とも健康面に大きな困難を抱えていたわけではなかったが、その後の生活を考えると、やはり私が近い距離で見守れた方が良いと考えて、もう一度東京に戻って来ないかと言ってみたことがある。
頑固な父の反応は、予想通り「すべてのことを勘案した上での決定を変える気は毛頭ない」の一点張りだったが、時間をかけて説得しようと思っていた。
 だが、それを私に断念させたのは母の一言だった。「もう無理だよ。今から東京に行っても、電車の駅で階段の上り下りもできない」。
 二人ともそれぞれ90代半ばで他界したが、自分も足腰を気遣う年代に差し掛かった現在、時折あのときの母の言葉を思い出す。そして、ひょっとして母は、身体さえ許せば再び東京で暮らしたかったのではないだろうかなどと反芻(はんすう)してみる。確かに都会生活の方が高齢者にとっては厳しい面もあるには違いないが。
 彼岸の時期になると、身内だけでなく、これまでの人生における様々な人との触れ合いを思い起こし、ときに感傷的になったりもする。

調布市長 長友貴樹

このページに関するお問い合わせ

行政経営部 広報課
電話番号:042-481-7301・7302
ファクス番号:042-489-6411
このページに関するアンケート

このページの内容が分かりやすかったかどうかを回答するフォーム

このページの内容はわかりやすかったですか?

このページが見つけやすかったかどうかを回答するフォーム

このページは見つけやすかったですか?

このページにどのようにたどり着いたかを回答するフォーム

このページはどのようにしてたどり着きましたか?

お気に入り 使い方

マイメニューの機能は、JavaScriptが無効なため使用できません。ご利用になるには、JavaScriptを有効にしてください。