市長コラム「手をつなぐ樹」第337号 新たな自分の出現

2019年4月5日 登録

調布市長 長友貴樹の写真

新たな自分の出現

 今から45年前のある秋の日の夕暮れ時、大学生だった私は友人のアパートで彼と一緒にテレビにくぎ付けになっていた。その画面には夕闇迫る後楽園球場(註1)で涙ながらにファンに最後の別れを告げる読売巨人軍長嶋茂雄選手の姿が映し出されていた。
 物心ついたころから夢中になった野球に興じる中で、我々の年代の圧倒的ヒーローは何と言っても長嶋選手だった。そして、おそらく野球に関心のない人々も含め多くの日本人が、高度経済成長でめざましく発展する我が国の明るさの一つの象徴として長嶋さんの存在を感じ取っていたことは間違いない。それゆえに彼の引退は、昭和の一時代の大きな区切りとしての社会現象として受け止められたとも言えよう(註2)。
 今回のイチロー選手の引退も、たまたま彼のプロ野球人生がほぼ平成と重なるがゆえに、一つの時代の終焉とする見方も成立しよう。ただ、それが何の終わりを意味するかの解釈は人によりさまざまかもしれない。
 また、それとは別に、記者会見における「外国人になったことで人の心を慮(おもんぱか)ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れた」との言葉は心に残った。その真意は彼に確認するほかないが、若者には、その言葉を噛みしめた上で他国を知ることの意義を考えてほしい。
調布市長 長友貴樹

(註1)現在の東京ドームの前身。
(註2)その前年、1973年に発生した第1次オイルショックで我が国は大きな経済的打撃を被(こうむ)った。

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