市長コラム「手をつなぐ樹」第347号 誰(た)がための鐘

2019年9月20日 登録

調布市長 長友貴樹の写真

誰(た)がための鐘

 広島に住んでいたときだから、昭和30年代初めの頃だ。ある日の朝、就学前の私は父に連れられて姉の通っていた小学校を訪れようとしていた。何か保護者の学校に対する奉仕活動のためだったような気もするが、定かな記憶はない。
 しかし、道すがら父が珍しく歌を口ずさんでいたことは、なぜか鮮明に覚えている。「緑の丘の赤い屋根 とんがり帽子の時計台」。それが昭和20年代前半の人気ラジオドラマ「鐘の鳴る丘」(註)の主題歌「とんがり帽子」だということを知るのはずっとあとのことになるが。
 先日、その歌をテレビで久し振りに耳にした。そして、その歌の背景に戦後の復員兵と戦災孤児たちの心温まるふれあいのストーリーがあったことをあらためて確認した。
 父は中国で終戦を迎えたもののシベリア抑留となり、ちょうど鐘の鳴る丘が大ヒットしている時期に遅れて復員してきたようだ。今となっては確かめようもないが、戦後10年たった頃、どのような思いであの歌を口ずさんでいたのだろう。
 今夏、市は市内在住・在学の中学生12人を「ピースメッセンジャー」として広島に派遣した。原爆ドームや平和記念資料館などを視察した参加生徒たちは、帰京後の感想文に託して平和への純粋な感情を伝えてくれた。その思いを大切に今後もさまざまな平和祈念事業に取り組んでいきたい。

調布市長 長友貴樹

(註)菊田一夫原作で昭和22年から25年までNHKで放送されたラジオドラマ。復員した主人公の青年が信州の山里に戦災孤児たちの居住施設を作ろうと奮闘する物語。

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