市長コラム「手をつなぐ樹」 第352号 「ふるさと」考

2019年12月5日 登録

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「ふるさと」考

 全都道府県の中で他県の出身者が最も多く住むのは、間違いなく東京都だろう。
 私も親の勤務のために転居を繰り返し、新潟、香川、広島、大阪を経て東京にたどり着いた、いわばさすらい人だ。在京生活はすでに半世紀近くに及び、人生で最も長く居住する地になったことは確かだ。しかし、そうかと言って無論東京人だと思ったことはない。
 〈ふるさとの訛(なまり)なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく〉。石川啄木と同じ心情かどうかはわからないが、やはり自分が育った土地の言葉はどの角度からでも直線的に耳に入ってくるものであり、その瞬間に無意識に心の安らぎを覚えるものだ。
 〈ふるさとは遠きにありて思ふものそして悲しくうたふもの〉。室生犀星の思いに共感される方は多くおられると思う。ただ私には残念ながらそこまでの感情は存在しない。就学前から10年以上住んだ大阪が強いて言えば心のふるさとではあるが、両親は九州および東北の出身であり、大阪に親類縁者がいるわけでもない。郷里と呼べる地域を明確に持つ方を正直羨ましく思う。
 そして、人生の折々に郷愁の念にかられることは誰しも経験するところであろうし、その地を支援したいという純粋な気持ちは尊いと思う。その発露だけであれば、ふるさと納税にも大きな問題は生じないのだろうが。

調布市長 長友貴樹

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