(4月22日発表)新型コロナワクチン接種会場における3密状態の見える化の共同実証実験

CO2濃度の可視化による良好な換気状態の構築と維持

国立大学法人電気通信大学(学長　田野俊一、以下「電気通信大学」)と東京都調布市(市長　長友貴樹、以下「調布市」)は、同大学情報理工学研究科情報学専攻の田中・石垣研究室およびi-パワードエネルギー・システム研究センターの横川研究室が開発したCO2センサーおよび可視化ボードを利用して、新型コロナのワクチン接種会場における3密状態回避の共同実証実験を開始します。

背景

新型コロナウイルスの感染症対策のため、調布市では駅前広場に設置したワクチン接種会場(調布駅前広場診療所)において、調布市独自の接種方式による高齢者へのワクチンの集団接種を開始します。接種会場には、多くの高齢者や医師、看護師が参加するため、3密を避ける対策を講じることが不可欠です。その対策として、電気通信大学が開発し、既に調布駅前商店街などに導入している二酸化炭素(CO2)センサーを複数設置し、会場内の換気を良好な状態に保つことに繋げる環境ナッジ行動(注1)の実証実験を行います。

CO2濃度を可視化することで、CO2濃度の現状把握や変化予測が可能となり、調布市の担当者による必要に応じた早期の換気対応などが実施可能となるため、ワクチン接種に参加する高齢者や医師、看護師の安全性を確保することができるとともに、計測結果を会場でも見える化することで、市民の安全・安心に繋げることができます。

(注1)ナッジ(nudge)とは、望ましい行動をとれるよう人を後押しする行動経済学の用語です。

具体的な内容

調布駅前商店街などに導入している小型CO2センサー(注2)および広域をカバーする3G/LTE通信の機能を搭載したボックス型CO2センサー(注3)をワクチン接種会場内に複数設置し、CO2の濃度をリアルタイムに計測して5段階のカラーや可視化ボードで計測結果を表示するとともに、ネットワークを介してデータを収集し、分析結果を事務局等にお知らせします。

ワクチン接種会場のシミュレーションの様子

CO2センサー等の設置例

CO2センサーの設置例

会場内のCO2の計測事例

ワクチンの集団接種の第1弾は4月22日、24日、25日の3日間、第2弾は5月以降に順次実施される予定で、期間中CO2センサーなどは、電気通信大学が無償で提供します。

(注2)小型CO2センサーの主な機能と性能は以下のとおりです。

• CO2濃度の計測範囲　400ppmから10,000ppm
• 計測時間　10秒以内
• カラー表示機能　「青、黄、橙、赤、紫」の5段階
• その他の機能　温度および湿度の計測、表示機能、WiFi機能付き、USB給電可能

(注3)ボックス型CO2センサーの主な機能と性能は以下のとおりです。

• CO2濃度の計測範囲　400ppmから10,000ppm
• 計測時間　10秒以内
• その他の機能　温度および湿度の計測、3G/LTE通信機能付き、USB給電可能

期待される効果と今後の予定

CO2濃度のリアルタイム表示・分析により、ワクチンの集団接種会場の状況に合わせた適切でエコな換気方法やタイミングを把握することができ、第1弾内での早期対応が可能になると共に、第2弾以降のさらに大人数での集団接種への事前対応が可能になるものと期待できます。
また、ワクチンの接種を受診する高齢者やその家族に安心感を与えることができるとともに、新型コロナの感染予防への効果が期待できます。

本リリースに関するお問い合わせ先

• 国立大学法人　電気通信大学　総務企画課広報係
  電話 042-443-5019
  ファクス 042-443-5889
  Eメール kouhou-k@office.uec.ac.jp
• 新型コロナウイルス感染症対策担当
  電話 042-481-6103
  ファクス 042-441-6101