令和3年度第1回調布市総合教育会議会議録 令和3年10月13日(水) 午後1時開会 場所:調布市立布田小学校 1.出 席 者 7名  市長 長友 貴樹  教育長 大和田 正治  教育長職務代理者 奈尾 力  委員 細川 真彦  委員 福谷 文夫  委員 榎本 竹伸  委員 千田 文子 2.事務局出席者17名  行政経営部長 小柳 栄  行政経営部次長兼企画経営課長 永井 秀雄  行政経営部副参事兼デジタル行政推進課長 鈴木 宏昌  企画経営課担当課長 伊藤 宏  企画経営課長補佐 村岡 佳太  企画経営課計画調整係長 福岡 保宏  企画経営課計画調整係主査  粟野 和也  教育部長 小林 達哉  教育部副参事兼指導室長 所 水奈  教育部次長 高松 春美  教育部副参事兼指導室学校教育担当課長 髙橋 慎一  教育総務課長 鈴木 克久  指導室指導主事 髙橋 康一  教育総務課総務係長 清水 菜々子  教育総務課総務係主任 澤井 昭宏  布田小学校長 樋川 宣登志  布田小学校副校長 石津 孝介 3.議事 (1) 開会 (2) 協議事項 ICT機器の活用による学習環境について (3) その他 (4) 閉会 ○小柳行政経営部長 本日はお忙しい中,御出席くださりありがとうございます。ただいまより,令和3年度第1回調布市総合教育会議を開催させていただきます。本日,司会を務めます,行政経営部長の小柳でございます。よろしくお願いいたします。 はじめに,お手元の配付資料を確認させていただきます。  本日の「次第」のほかに,4つの資料がございます。右上に資料1と記載のある「調布市総合教育会議構成員名簿」,資料2として「令和3年度第1回調布市総合教育会議席次表」,資料3として「調布市総合教育会議運営規程」,最後に,資料4として本日の「授業視察について」となります。「次第」を含め5枚の資料をお配りしております。過不足はございませんでしょうか。 次に,本日の会議の概要を御説明します。本日は,次第に記載のとおり協議事項が1件,「ICT機器の活用による学習環境について」であります。 本日は,協議事項に関して,実際のICT機器を活用した授業の様子を視察いただいた後に意見交換を予定しております。会議の時間は概ね1時間45分を予定しております。限られた時間ではございますが,円滑な会議の運営に御協力いただきますよう,よろしくお願いします。 なお,本来であれば,調布市総合教育会議運営規程に則り,会議の傍聴の可否についてお諮りするところでありますが,本日の会議につきましては,授業の視察が予定されていることなどから,傍聴の受付は行っていませんので御承知おきください。 また,本日の会議におきましては,議事録作成のため,録音とともに,記録のため写真撮影をさせていただきますので,御了承のほどよろしくお願いします。 はじめに,開会に当たりまして,市長の長友から御挨拶申しあげます。 ○長友市長 市長の長友でございます。本日はお忙しい中お集まりくださり,誠にありがとうございます。 昨年度から,新型コロナウイルスの影響による緊急事態のなか,学校教育の現場では,子どもたちの安全を守りながら教育を与えることの兼ね合いにおいて非常に大変な状況であったかと思います。行政として新型コロナウイルスのためにICT教育を推進したものではないですが,流行以後,少しでも早くお役に立てるような場面があれば良かったと思っております。これから,総括等も行っていかなければなりません。 そのなかで,調布市内のワクチン接種の状況について,調布市医師会をはじめ,関係各所の御協力を賜り,集団接種は9月末までの希望者への接種が終了しました。推定では,2回目の接種が完了した12歳以上の市民が約75パーセント,そのうち65歳以上の高齢者に限ると約89パーセントとなっており,当初想定していたよりも高い数字となっています。 今後も予測し得ない状況のなかで,健康面を含め,子どもたちの安全を確保しながら,ICT機器を活用した新しい教育について試行錯誤しながら進められると思います。 本日は非常に貴重な体験をさせていただくということで,私も大いなる関心を持ってこの場に臨ませていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。 ○小柳行政経営部長 それでは,次第の「2 協議事項」に入らせていただきます。 「ICT機器の活用による学習環境について」ということで,はじめに,布田小学校長の樋川校長先生から,学校概要や本日視察いただく授業の視点などを御説明いただきます。その後,実際に5時間目の授業を視察いただきます。視察終了後は,この場所にお戻りいただき,意見交換を行いたいと思います。 それでは,樋川校長,説明をお願いします ○樋川布田小学校長 本日は,布田小学校にお越しいただきまして,誠にありがとうございます。 今年1月に,児童一人ひとりにタブレット端末が渡されました。そして,2学期開始に当たり,オンライン授業にて活用されたことは,皆様御承知のとおりであります。本日は,このあと通常授業でのタブレット端末を活用した授業を御覧いただきます。まず,学校で考えているタブレットの活用方法について,何点かお話しさせていただきます。 まず1つ目としては,これまでの「道具」の代わりとしての活用です。国語辞典・漢字辞典・電卓・地図帳・百科事典等,今まで授業の度に持ち運んだり,数が足りなかったりしたものが,タブレット端末で自由に使うことが出来るようになりました。「自分で調べよう」,「自分でやろう」,そのような思いを大切にできるかと思っております。 次に,自分の考えを実現したり,証明したりといった活用方法を考えております。例えば,多角形について,小学生が描ける正確な多角形の限度は六角形ぐらいで,技術に限界があります。しかし,タブレット端末を使用することにより,数値を正しく指示すれば十角形,二十角形と書くことができ,子どもたちがこうしたらできるはずだという考えを実現・証明することができます。 次に,表現手段の広がりと言う意味での利用です。タブレット端末を活用することで,写真だけでなく,動画・音声録画などを手軽に扱うことが出来ます。昨年から本校で実施した例として,図工の授業で作成した立体作品を外に持ち出し,光を当てて撮影するといった表現手段を行いました。また,学習のまとめの新聞づくりや発表に,今までは模造紙や画用紙を利用していたものを,一部動画を用いたりして表現するなど,表現手段を広げるためのものとして活用しております。 次に,コミュニケ―ション手段として利用しているということです。45分間の授業のなかで,30~40人の児童全員が発表しその内容を受け止めることは非常に難しいことであります。しかし,タブレット端末を活用することで,児童全員の意見を集約し,一覧で共有することが,ソフトを利用して可能となります。 また,プログラミング学習を低学年から行うこともできます。 次に,タブレット端末を活用して,学習の振り返りに役立つと考えております。例として,体育の授業において,跳び箱が跳べない原因を探るときに,友達に録画してもらい,それを見ると,どこを直せばいいか理解することができ,動きを修正することができます。このように国語・算数等だけでなく,体育や音楽などの教科にも学習の振り返りとして活用することができます。また,学習したことを身に付けるには,どうしても練習問題や学習ドリルなど児童にとってはあまり面白くない取組もやらなければなりませんが,タブレット端末を活用すると,児童たちも集中して取り組むことができるので,繰り返し学習にも向いていると考えております。 最後に,すべての学習が終わった後に,学習の足跡の保存に活用できると考えております。ノートや作品が溜まってきたときに,残しておけないことがありますが,児童自身が作成した文章や表,大きな立体作品等をタブレット内に保存することができるので,そのような利活用も良いのではと考えております。 タブレット端末の活用方法については,日々教員が考え,試行錯誤しながら少しずつ増やしていっているところであります。本日の授業については,そのなかの一部を見ていただければと思っております。 それでは,資料4「授業視察について」をご覧ください。本日は,小学2年生と小学6年生の授業を視察していただきます。前半は2年生,後半は6年生でございます。 まず,2年生の学習内容についてです。2年生の学習内容は「算数 九九のかけ算」,「生活色々な遊びを考え,友達に伝えよう」の2つの内容となっております。最初の算数では,授業開始5分程度で繰り返し学習としてのタブレット端末の活用を見ていただきます。その後,生活ではグループごとに分かれ,タブレットを用いて発表しクラス全員で共有するというところを見ていただきます。 次に,6年生の学習内容についてです。6年生では「道徳 ルールについて考えよう」を行います。グーグルフォームを使い,児童たちにルールについてのアンケートを行い,その結果をクラス全員で共有します。その後,教材を読んで,ルールについてみんなで考えていきます。皆様はこの続きからの視察となります。児童たちが自分の考えをタブレットのアプリケーションを用いて書き,それを集約して様々な意見を共有する流れを見ていただきます。 以上,タブレット端末を活用した実際の授業風景を見ていただければと思います。 ○小柳行政経営部長  教室には,校長,副校長も同席いただきますので,視察の間にお聞きになりたいことがございましたら,校長または副校長にお声かけください。 なお,視察後の意見交換につきましては,ICT機器を活用することで,児童の授業の理解度や学習意欲が高まるか,授業の活性化や学習の効率化・教員の授業力の向上につながっているか,また,通常授業以外,例えば,夏季休校延長時の活用状況や自宅学習における活用事例等の活用状況はどうかなどの視点でお話しいただく予定でございますので,よろしくお願いいたします。 授業視察は,このあと13時20分から14時5分までとなり,視察後,14時10分よりこの会場で意見交換を行いたいと考えております。 それでは,授業の視察に向かいますので,事務局の案内に従い,移動をお願いいたします。 授業視察 午後1時20分        ――――――――――― ―― ――――――――――― 再開 午後2時10分 ○小柳行政経営部長 委員の皆様,お疲れさまでした。 それでは,意見交換に移りたいと思います。 まず,最初に2年2組の授業視察を行い,その後,6年3組の授業視察を行いました。各授業において,それぞれ様々な思いをお持ちかと思います。 先ほど,視察前に申しあげたとおり,ICT機器を活用することによる,授業の理解度や学習意欲,また,授業の活性化や学習の効率化・教員の授業力の向上,さらに,通常授業以外の活用などの視点からお話しいただければ幸いでございます。 私のほうから順次指名いたしますので,発言頂ければと思います。はじめに,千田委員お願いいたします。 ○千田委員 千田と申します。 視察前に学校長よりお話がありましたが,本年1月に児童全員にタブレットが配布されてから2学期授業開始時までの間,先生方はオンライン学習に必死に対応し,現在は通常授業のなかにどのような方法でタブレットを活用するかについて取り組まれており,本当に大変なことであると推察しました。それを踏まえ,本日の総合教育会議の協議事項に入れてくださった市長や事務局の方々へお礼を申しあげたいと思います。本日の議題が今後の学校教育において児童や先生方の教育活動の参考になればと思いながら,1件感想等を述べさせていただきます。 先ほど学校長のほうから,8点ほどタブレット端末の活用による教育構想についてお話がありましたが,この8点全て実現することができれば素敵なことだと思うので,ぜひ取り組んで欲しいと思います。 本日,2年生の授業を視察いたしましたが,最初が肝心なのかなと思いました。例えば,1年生のときからタブレット使用について抵抗感なく入り込めたら,それ以降の学習活動は児童にとって前向きなものになります。しかし,最初の段階で入り損なうと,その後は厳しいものになります。タブレット端末の使用について,入口の段階でいかにつまずくことなく学習活動に取り組めるか考えていく必要があると思います。では具体的にどのような取組が必要かについてはこれから考えていくべき課題ではありますが,少なくとも教員の研修のみでは難しいと思います。過去にパソコンが導入された時代では,パソコンを扱うことができる教員を呼び出しては操作を教わっていたわけでありますが,現代ではそういうわけにはいきません。できれば堪能な方が授業中に見て回るような方法が良いのではないかと思います。 もう一つは,不登校の児童や宿題の持ち帰り等にタブレットを活用することができるのではないかということです。ドリルの反復や動画の作成などの課題が,今後学校からの宿題として可能になると思います。情勢は常に変化しており,私が教壇に立っていた時代とは随分異なっております。より大きく発想展開を行い展望していかなければならないと思いました。 本日の視察では,2年生・6年生ともに授業に真剣に取り組んでおり,また活用方法について詳しく知ることができ大変貴重な機会でございました。 ○小柳行政経営部長 続いて,榎本委員お願いいたします。 ○榎本委員 榎本と申します。よろしくお願いいたします。 まず,2年生の授業について,かけ算という分野に対し,児童たちがどのようにタブレットを用いるのか拝見しておりました。当然かけ算についてできる子とできない子で分かれている様子ではありましたが,タブレットの利用については,つまずいている児童が誰一人おりませんでした。一人ひとりが真剣に授業に取り組んでいたと同時に,学校長からお話があったように,ドリル的習熟の活用ができていたのではないかと思います。また,グループ発表について,児童たちならではの想像力を活かした発表であったと思います。 そのなかで,タブレットを用いて動画を撮ることで,言葉では伝えることができない細かい表現が,誰もが見て分かるものとなり,発表のなかの一つひとつの言葉に対して説得力を増していく方法ではないかという風に感じました。 6年生の授業について,私自身も悩み,考えながら児童たちが意見をタブレットに打ち込んでいるところを拝見しておりました。担任教諭も仰っておりましたが,様々な考え方があり,その考えの幅の広さを学んでいるということを感じることが出来ました。そのなかで,文章を打ち込んでいくと,当然漢字に変換される部分があるわけですが,なんとなく感覚では分かるが,何も見ずに書けと言われると書けないような漢字もあります。タブレットを活用した授業において,「書く」という力をどこまで機械で補うことが出来るのか。そこを我々は考え研究していく必要があるのではないでしょうか。 ○小柳行政経営部長 続いて,福谷委員お願いいたします。 ○福谷委員 とても素晴らしい授業を拝見することができ,大変勉強になりました。ありがとうございます。 2年生の授業を拝見するなかで,タブレットを活用することで児童一人ひとりの進歩に合わせて授業を進めることが出来ることについて,とても勉強になりました。 6年生の授業については,担任教諭の授業の進め方が見事でございました。文章を授業で取り扱ううえで,作者の考えや他者の考えなどを児童に考えさせることが一般的なのですが,今回の授業では,賛成・反対に分けて児童たちが議論し合うといった形をとっておりました。実際,児童たちが沢山の意見を述べており,その意見をタブレットに集約するといった活用方法をみることができ,こんな使い方もあるのかと思いました。また,授業展開について,この意見に対してどう思うかというような質問を投げかけ,児童たちの意見を修正したりと誘導するのではなく,仲間の意見を聞きながら授業が進んでいき,そして,結論として何を基準にどちらが正しいと決めるのか,それを児童たちに考えさせる。そのような展開の仕方に素晴らしい授業であると思いました。 私は中学校で理科を担当しており,もし実際に教員として授業を行う際,板書の代わりにプロジェクターを用いて,タブレットで調べ学習やまとめ学習を行い,最終的にプリントに記述するといった形になるだろうと考えながら拝見しておりましたが,本日の視察を通して,タブレットの多様な使い方を学ぶことができ,とても参考になりました。ありがとうございました。 ○小柳行政経営部長 続いて,細川委員お願いいたします。 ○細川委員 普段の授業準備で,各先生方パソコンを用いて準備なされているかと思います。それが実際の授業でも扱われるということは,効率化という点において有効であると思います。特に若手の教員においては,今後タブレットを活用した授業が通常になるのだろうと感じました。しかし,若手の教員にとって楽になる部分がある一方で,これまで板書のみで授業を行っていた教員にとっては,タブレット教育に対応することについて大変な部分があるのではないかと印象を受けた次第であります。 2年生の授業に関して,低学年でも授業に集中して受けることができるという点において,ゲーム感覚でやれる,そのような楽しさが足されているということもあり,集中力が高まっているという風に感じました。しかし,発言することで記憶が定着する部分もあるので,タブレット操作一つでどこまで記憶力が定着するかについて,今後の検証を待つ必要性があると思います。 ドリル学習による児童一人ひとりの失敗や進行具合について,教員だけでなく,児童自身も確認することができれば,効率化に非常に有効ではないかという風に思った次第であります。 発表については,紙媒体だった時代とは異なり,これからは動画を用いることが普通になっていくのだろうと感じております。動画を用いる方が授業としても面白いものになりますし,それを学校で行うことによって,児童が自宅で動画作成するという部分にも発展していくのではないでしょうか。これから社会に出た際に問われる能力になる時代になるなかで,楽しく学習活動ができるという点において利点があると思います。しかし,発表やコミュニケーションが苦手な児童も少なからずいるかとは思います。そのような児童に対して,どのような配慮を行っていくか,そして,能力を鍛えていくかについて考えていかなければならないと感じました。 6年生の授業に関して,様々な意見をその場で聞くだけではなく,改めて文字として共有し情報化された意見を再確認し,時間をかけて読んでいくことで,自分とは異なる見解・意見を振り返って考えやすくなったのではないかと感じた次第でございます。 ○小柳行政経営部長 続いて,奈尾職務代理者お願いいたします。 ○奈尾教育長職務代理者 本日はありがとうございました。 今いる先生方,そしてこれから教員になる方について,多種多様な能力を身につけていかなければ児童の前に立つことができない状況になってきているということを改めて感じました。 子どもたちへの指導のなかで,資質・能力を育成するための授業改善が強く言われておりますが,私はそのなかでも,「主体的な学び」がとても大事であるという風に考えております。つまり,自ら進んで学ぼうとする姿勢,関心・意欲を育てていかなければならないと思っております。本日のようなタブレットにおいては,児童たちのやってみよう,調べてみようという意欲をそそる機器であると思います。 小学校,中学校,高等学校という12年間を,習得の段階,活用の段階,探究の段階という風に分けられております。本日,2年生の算数科の授業において,習得の段階という意味で,初期段階を学ぶ児童という目線で参観しておりましたが,ある子どもは先へ先へと進み,またある子どもは四の段でつまずき,三の段に戻って繰り返し学習をするなどしておりました。習得の段階で大切な,繰り返し挑戦するという行動を,機器によって育てているということなのではないかと感じました。 6年生の授業については,活用の段階でございます。本日は,まとめの部分でタブレットを活用しておりましたが,活用のタイミングにおいて,効率的な授業になっておりました。なによりも,教員の活用能力が左右するのではないかという風に思います。ICT機器をうまく活用することが国の施策でありますが,本日の授業を視察するなかで,きっとどの先生方もあのような授業をされているのではないかと思います。 一つ気になるのは,最近の子どもたちは文字を書く機会が少ないということです。本日のようにキーボードで打ち込んでいくと,自分の能力で書くという力が低下しないかが心配になってきます。別の方法で能力を鍛えているということであれば,後日お答えいただければと思います。 先生方には,今後も児童のために機器の活用に対する技術・能力を身につけていただければ幸いです。 ○小柳行政経営部長 続いて,大和田教育長よろしくお願いいたします。 ○大和田教育長 本日はありがとうございました。 2年生,6年生の授業ともに視察させていただきました。 私からは,他の方の意見を統括した内容が非常に多いですが,特に2年生の九九に関して,私自身も,当時小学2年生の時に,友人と対になって,全て覚えるまでお互いで丸暗記していた記憶があり,懐かしさを感じながら拝見しておりました。 最初に,学校長よりタブレットは道具の代わりだというお話がありました。確かに,ツールの1つであることには間違いありませんが,道具としての使い方が今後問われていくのではないかと思っております。本日拝見させていただいたなかでも,学習や自習に対しては効果がありましたが,対面の良さが表れる授業が最終的に必要なのではないかと個人的には感じた次第でございます。学校長からお話しいただいたタブレット機能における8つの点のなかに,コミュニケーションツールとしての使い方がありましたが,タブレット対タブレットだけでなく,人と人とのツールが大切になってくると私は思います。感情が伝わるコミュニケーションツールを大切にしていくと,本日の6年生の道徳にも関連する内容のように道徳的価値観が生まれるのではないかと感じております。 ○小柳行政経営部長 各委員の皆様,ありがとうございます。最後に各委員の意見・感想等を踏まえ,市長の所感をお願いします。 ○長友市長 タブレット導入という予算的な議論がついこの間のような気がいたします。このような教育を実現することが出来れば,ぜひ一度視察させていただきたいということで,本日は大変貴重な時間を過ごすことができ,大変勉強になりました。 今までの懸案を解決するために,何かを変えていく,もしくは,何を導入するかということについて,皆様のなかで様々な知恵を絞っていただいております。しかし,試行錯誤のなかでメリットだけではないということに突き当たるわけですから,そのことについて教えていただくということは,大変関心が深いということを申しあげたいと思います。 その観点で2つほど述べさせていただくと,1つ目は,スタートラインにおける理解度について遅れが生じている児童への底上げには効果がある一方で,理解度が早い児童については,もどかしい部分があると思います。単元にもよりますが,集団における児童一人ひとりの習熟度において,タブレットを活用することで良い面,悪い面が出ているのではないかと率直に感じました。また,集団での意見を一括して見ることができる利点がある一方で,自分の施策展開をするときには黙考したなかで静かに蓄えていく時間も必要だと思います。本日,2つの授業を拝見しただけですので,難点的なことは申しあげられませんが,タブレットの活用によりそのような時間が少なくなるのではないか,そのような印象を受けました。メリットを活かしつつ,先生方が様々なことに気づき,それを補うにはどのようにしたら良いのか。試行錯誤のなかで一部元に戻る部分もあるかとは思いますが,引き続き検討していただければと思います。 2つ目は,既に触れられた件ですが,日本語の問題であります。少し突飛的なことになりますが,我々は江戸時代の人間と比べると,知識に天と地ほどの格差があります。当時はテレビがなく本を読むしかなかったため,当然のことだと思いますが,我々は,200年前と比べると遥かに劣っております。そして,このようなことが今後違った側面で出てくるということは,少し気をつけながら臨んでいかなければならないと思いました。私も常々感じていることではありますが,とりわけ若い世代は本から遠ざかっている現状があります。日本語である以上,字に親しんでいただきたい。ICT教育が進むなかで,私的な時間含め,表意文字の文化が衰え始めていることに,由々しき事態であると感じております。 良い意味で新しい教育が始まったと思うことを前提に申しあげておりますが,ぜひ,今後の様々な進展を勉強させていただければと思っております。 本日は,誠にありがとうございました。 ○小柳行政経営部長 樋川校長より何かあれば一言お願い致します。 ○樋川布田小学校長 お話を伺い,これからも沢山考えていきたいと思います。教育長より,感情を使うコミュニケーションツールについてお話をいただきまして,2年生の教員が児童たちにタブレットを扱わせるのですが,声の大きさはどのようにすべきか,聞くときの姿勢はどうしたらよいか,それがないとタブレットを使っても意味がない授業になると思います。6年生の道徳の授業についても,最後意見交換をしておりましたが,前段階の話し合いの部分がなければ,薄い意見しか出てこないと思います。タブレットを使うなかで,そこに行き着くまでにどのようにするか。このことについて,今後考えていきたいと思います。 また,市長からメリットだけではないというお話について,私自身も現段階ではメリットだけを探して利活用するといった状況であります。キーボードを打つことにより,書く力がどうなるのか。九九をドリル的に行うことで,九九の定着はどうなるのか。今後,数字として実証していかなければならないと思いました。 最後に,タブレット活用について,本校では特別支援学級はないのですが,特別支援教育にも可能性があるのではないかと期待をしております。 ○小柳行政経営部長 本日の協議はここまでとさせていただきます。 それでは,「その他」として,事務局から事務連絡をお願いします。 ○伊藤企画経営課担当課長 次回の総合教育会議の議題や開催日などについては,委員の皆様に改めて御案内をさせていただきますので,よろしくお願いいたします。 また,本日の議事録につきましては,作成後,皆様に御確認いただく予定としておりますので御協力いただきますようお願いいたします。 ○小柳行政経営部長 事務局の説明が終わりました。最後に,会議全体を通して御質問等ございましたらお願いいたします。 特に無いようでしたら,これで,令和3年度第1回調布市総合教育会議を終わります。 本日はありがとうございました。